彼女の病状もすっかりよくなったある日、彼女の方から誘ってきました。
「・・・する?(笑)」
「ごめん。ひとつ気になる事があって・・・。このままじゃ抱けない」
「??・・・」
いぶかしげな顔をする彼女に、押収しておいたラブホの割引券を、黙って渡します。
「何これ?」
「アナタのカバンから出てきた」
しばらく割引券を見つめていた彼女は、まるで何かを思い出したように
「あ~、分かった! ○○チャン(娘の名前)だわ。 こないだママのバッグ貸してって言われて貸してあげたのよ。
その時彼氏と行ったんじゃないの?・・・まさか私が行ったと思ったの?(笑) 馬鹿ね!」
そう言って笑います。
「本当?」
「当たり前じゃない? そんな事ばっかり言うとしまいに怒るわよ?」
「じゃ、それがラブホの割引券だって何で知ってるの? 僕は一言もそんな事言ってないのに」
「それは・・・kakクンが思いつめた顔で問い詰めるようにするからピンときただけじゃない」
「○○チャンに確認取ってもいい?」
「やめて! 娘にそんな事聞けないわよ! 親として恥ずかしいじゃない」
半信半疑でした。娘の彼氏も知っていたし、バッグや洋服を親子で貸し借りしているのも知っていました。
しまり屋の娘が割引券を取っておいたとしても納得はできます。
それに、これまでは怪しい事がある時はいつも逆ギレする彼女が妙に落着いていましたから、
今回ばかりは勘ぐりすぎたかな・・・と思うことにしました。
「わかった。疑って悪かったよ。ごめんね」
「もう! もっと私を信用してよ! あんまり疑われるとこっちだって気分悪いわよ?」
彼女はそう言って、割引券をビリビリ引き裂いてゴミ箱に捨てます。
いつもより何だかぎこちないSEXの後、いつものような幸福感は訪れませんでした。
何事もなかったように明るく振舞う彼女の隣で、僕は、少しだけ終わりに向かっていく感覚に襲われてはそれを忘れ去ろうと・・・を心の中で繰り返していました。