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アトリエ・フロール(株)写眞研究課

写真家・花井雄也がお送りする、写真ブログ。商品写真から赤外線写真・ピンホールカメラなどマニアックな写真まで、多様な作品を掲載しています。
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赤外線系のフィルターがだいぶ増えてきたので、一度テスト撮影して、特性を把握する事にします。

その前に、久しぶりなので、赤外線写真の仕組みを説明します。

まず、写真そのものは、光を撮影しています。
光とは、「nm(ナノメートル)」という波長の単位で表されていて、目に見える光(可視光)は380nm~750nmとされています。(下の図を参照)

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可視光(380nm~750nm)の外側にも波長が存在していて、
380nm以下の短波長は「紫外線(UV)」
700nm以上の長波長は「赤外線(IR)」と呼ばれます。

赤外線は
、近赤外線・中赤外線・遠赤外線と見えない波長が続いていきます
ちなみに赤外線写真は、近赤外線を写すもので、サーモグラフィーなどとは全く別物です。

「近赤外線」・・・700nm~1000nm(1μm)
          赤外線写真・リモコン・赤外線通信など

「中赤外線」・・・1~4μm
          
「遠赤外線」・・・4~1000μm
          ここまで来ると熱線になる。赤外線ヒーターなどに利用されている。


■近赤外線撮影の特徴■

①葉に含まれる葉緑素が、近赤外領域を多く反射する為、葉が白く写る。

②中赤外線に近い領域では、物体の表面から数ミリ浸透してから反射する為、紙や布などを透かして見る事が出来る。
ただし、鮮明には透けず、ぼやっと透ける程度。くれぐれも悪用は駄目ですよ!
人物などを撮影すると肌は白く、瞳孔は黒く映る。また、血管が濃く写る。

③赤外線は目に見えないため、赤外線ライトなどを用いることで相手に気づかれずに
認識する事が出来る。(暗視カメラ・監視カメラ・ドアホンのカメラなどに利用される)



さて、話がずれましたが、赤外線フィルターの検証に移りたいと思います。
テストのラインナップは以下の7種類にしました。

おーなんだか久しぶりに、ブログ名の「写真研究課」っぽくなってきた!笑



■フィルターなし
紫外線から可視光、赤外線、すべてを取り込んだらどうなるんだろう。
興味本位の実験です。



■UVIRカット フィルター(通常撮影用のフィルター)

50Dでは、若干ブルー寄りになるので、WBをAWBにするか現像設定をアンバー+マゼンタに補正します。
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■SC-64 フィルター
富士フイルムの650nm以下がカットされるシャープカットフィルター。
赤外線+可視光少々。
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■SC-70
富士フイルムの700nm以下がカットされるシャープカットフィルター。
赤外線+可視光ほんの少し。
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■OEC IR720
以前、個人輸入で購入したフィルター。こちらもレンズ前フィルターです。 
720という名前の通り、720nm以下がカットされる予定。
(まだ検証していないので不明)
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■kenko PRO1D R72(SR-72)
こちらも、赤外線写真を始めた頃に購入した、レンズ前フィルタ。
これも72だから、720nm以下がカットされるはず。が、コーティングの違いか、フィルターの色は緑色。
「OEC IR720」との違いがあるのか検証。
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■IR-84 フィルター
富士フイルムの840nm以下がカットされる赤外線フィルター。
色情報がほとんど入らないため、カラー化はほぼ不可能と思われる。
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■berylir Filter - ベリリアフィルター -(IDAS社 の試作品)

改造をお願いしていた、IDAS社 さんが、試作品のフィルタ(berylir Filter)を送ってくれたので、コレも追加。まだ試作品のため、52mm径のレンズ前フィルター。


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■撮影検証■

条件:
検証に使用するフィルターの形状があまりにも様々なので、一番小さいサイズの52mm径のモノに合わせて、手元にあった唯一のフィルター径52mmのレン ズ、「Canon EF50mm macro F2.5」を使用しました。
また、今回はJPEGでの記録を行い、撮影したままのデータをオリジナルデータとします。


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フィルター全くなしの状態。建物下の木が若干白(ピンク?)っぽく写りました。
赤外線カブりしている状態ですね・・・




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撮影したままでは使えないものの、ほんの少し補正したら普通の写真になりました。
現像設定をG最大にしてしまっていたので、しっかり設定してやれば、一発で撮影出来そうです。

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SIGMA SD14時代から使っていたフィルターです。
少し可視光が多すぎて、カラー化処理でかなり青寄りになってしまいました。
ちょっと露出オーバーだったかな。SD14とちがって、アンダーでも大丈夫かも。

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今回初めて検証したのですが、可視光も赤外線もちょうど良く入っているので、カラー化処理が簡単にできました。葉っぱにも少し緑が残って、良い色合い。このフィルター、いいかもな。


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SC70より赤外線が多く写っています。葉もかなり真っ白。
色がだいぶ抜けて、少し薄い印象。これはこれでさっぱりして良いかもしれません。


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やっぱり!!OEC IR720と全く同じです。
しかし、フィルターの色がなぜあれほど緑なのかは謎。



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こちらは完全に赤外線写真って感じですね。コントラストも強いし、カラー化出来ないほど可視光が抜けています。


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楽しみにしていた、試作
berylir Filter(ベリリアフィルター)。可視光の一部と赤外線を透過するフィルターだそうです。
おお!空が緑!オリジナルデータのままでも十分面白いです。
少しマゼンタかぶりがあるので、少し補正すれば、もっと良いかもしれません。
カラースワッピング処理は必要ないかとも思いましたが、試しにやってみました。これも空の色が不思議になって面白いです。


それにしても、オリジナルデータはどこかで見たような景色・・・・。

そ、そうだ!ドラゴンボール!?
たしか、Zのころ、こんな色の空だった様な・・・・

このベリリアフィルター、大変読みづらいので、「ドラゴンフィルター」と名付けることにします。笑


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少しいじってみました。

空の部分→マゼンタ抜き色補正
地表→カラースワッピングで赤外効果を増幅

うーん、やり過ぎか・・・・


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