山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安いところへ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画が出来る。
人の世を造ったものは神でもなければ鬼でもない。矢張り向う三軒両隣りにちらちらする唯の人である。唯の人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりも猶住みにくかろう。
越すことのならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛げて、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊い。
という書き出しで始まる小説は夏目漱石の「草枕」です。ブログを始めた、一番最初の記事にも引用しましたが、さすがは文豪です。100年以上前の明治に書かれたこの文章が、平成の世でもズシリと心に響き渡ります。まさに、近現代国家の人の心を穿っている秀逸な文章ではないでしょうか。
ちなみに、この文章で不必要だけど必要な一文はどこだと思いますか?
※とんちではありませんw
書き出しの「山路を登りながら、こう考えた」という一文に、僕はあると思います。
この言葉で、それに続く文章は、評論では無く小説に転換されているのです。言い換えれば、モノクロから色彩を与えたカラーに変えるほどの文章のマジックがあるわけです。それを、サラリと書くあたりが凄いです。
というわけで、久しぶりに読んでみようと思いまして、先日正月で実家に帰省した折に、本棚から持って帰ってきました。
さて、夏目漱石がもしこの世にいたら、ゲームというのを芸術と読んだかは定かではないですが、どう評したでしょうかね。現代人が、娯楽を求めるのは、草枕の文章にもあります、人の世は住みにくいからです。
すなわち、この草枕の書き出しにあるような、人の世を長閑にし、人の心を豊かにしようとする、そんな理念をゲームの作り手は持っていて欲しいなと僕は願うばかりです。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安いところへ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画が出来る。
人の世を造ったものは神でもなければ鬼でもない。矢張り向う三軒両隣りにちらちらする唯の人である。唯の人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりも猶住みにくかろう。
越すことのならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛げて、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊い。
という書き出しで始まる小説は夏目漱石の「草枕」です。ブログを始めた、一番最初の記事にも引用しましたが、さすがは文豪です。100年以上前の明治に書かれたこの文章が、平成の世でもズシリと心に響き渡ります。まさに、近現代国家の人の心を穿っている秀逸な文章ではないでしょうか。
ちなみに、この文章で不必要だけど必要な一文はどこだと思いますか?
※とんちではありませんw
書き出しの「山路を登りながら、こう考えた」という一文に、僕はあると思います。
この言葉で、それに続く文章は、評論では無く小説に転換されているのです。言い換えれば、モノクロから色彩を与えたカラーに変えるほどの文章のマジックがあるわけです。それを、サラリと書くあたりが凄いです。
というわけで、久しぶりに読んでみようと思いまして、先日正月で実家に帰省した折に、本棚から持って帰ってきました。
さて、夏目漱石がもしこの世にいたら、ゲームというのを芸術と読んだかは定かではないですが、どう評したでしょうかね。現代人が、娯楽を求めるのは、草枕の文章にもあります、人の世は住みにくいからです。
すなわち、この草枕の書き出しにあるような、人の世を長閑にし、人の心を豊かにしようとする、そんな理念をゲームの作り手は持っていて欲しいなと僕は願うばかりです。