一般に本と言ってもいろいろありますよね。小説や雑誌、漫画、評論などなど、およそ活字を中心に書かれているものを本と定義するのであれば、そのジャンルは種々多様です。

 今回は、その中でも小説というジャンルにスポットを当ててお話しをしてみたいと思います。

 小説と言ってもおそらく皆さんが想像されるのは国語の教科書に出てくるような作家を含め、現在だと石田衣良や片山恭一なんかの流行作家が頭に浮かんでくるかと思います(最近の流行作家というのが思いつかなかったのですが)。

 しかし、これらは全て明治時代以降に定着した近代小説と呼ばれるものであって、広い意味での小説と呼べるのものはそれこそ平安時代ぐらいまでに遡ります。竹取物語が日本での最古の小説との説もあります。

 では、近代小説とそれ以前の小説の違いは何かというと、社会性を帯びているかどうかということになります。つまりは、近代社会の成り立ちによって、民主主義のもと人々は個人というものを認識できるようになりました。いわゆる、アイデンティティの確立です。そのため、個人対社会という図式ができ、それに応じて近代小説がそれらを認識するためのメディアとして発展したわけであります。前述の竹取物語などを見ても、主人公に名前はなかったり個性というのは省かれているのもそのためです。ゆえに明治以前のお話しは小説と言うより物語なんですね。

 明治時代に文明開化とともに日本はこれらの文化も西洋から受け入れたのです。この辺りの日本人の葛藤とかごちゃごちゃしたことは、夏目漱石や森鴎外、芥川龍之介なんかの小説に色濃く反映しています。

 なんか、ややこしい話になりましたけど。

 まあそんなわけで近代小説においての根本的な本質というのは夏目漱石の小説も村上春樹の小説も同じだったりします。これらは近代小説の発端となる純文学(小説のジャンルに関しては後述)における小説のテーマであります。

 で、近代になって個人が社会に束縛されず自由になったことによって、得られた最大の物は何かというと「恋愛」なわけであります。それゆえに、今も昔も恋愛における文学がその大半を占めているとも言えます。結局、人の本質は明治でも平成でも(それ以前においてもですが)変わっていないんでしょうね。

 小説のジャンルにおいては、これらの近代小説の確立と共にいわゆる純文学に属する「私小説」「恋愛小説」「青年小説」。それらとは異なり娯楽小説に属する「冒険小説」「推理小説」「SF小説」などに区分されるわけです(細分化するともっとありますが)。