次の休日、僕はある場所に向かった。

向かった先は沙織が眠っている墓地 。

僕はあの結果が出た日の夜、色々な事を考えた。

そして、ここに来る事を決意した。

沙織の眠る墓石に花を供え、水を掛け、線香に火をつけた。

僕はしゃがみ、静かに目を閉じて沙織と会話をした。

ふと人の気配に気づき、振り返るとそこには宮田さんが立っていた。

「水嶋さん、偶然ですね」

「はい、偶然です。僕、ここに来るのは今日が初めてなんです」

そういうと僕は再び沙織と向き合い話しかけた。

「沙織…ありがとう」

「いつまでたってもお前に見守られていたなぁ」

「俺さ、真帆さんと一緒に歩んでもいいかな」

そう言って僕は宮田さんの所に歩み寄った。

彼女も僕と正面に向きなおした。

「宮田さん、もう一度やりなおしてもいいですか」

「はい?」

宮田さんは優しい目で僕の顔を見つめていた。

「もう一度、あなたに出逢って恋をする所から」

彼女の目には涙がこぼれ落ちそうなくらいたまっていた。

「水嶋さん」

「はい」

「ありがとう・・・」

僕を真っ直ぐ見てそう言った彼女は沙織の気持ちを伝えるかのように穏やかな表情だった。

そこには沙織もいるような気がした。

僕は彼女の手を取って名前を呼んだ。

「真帆さん、よろしくおねがいします」

「はい」

笑顔と涙でくしゃくしゃになった彼女の頬に一枚の桜の花びらがとまった。

見上げると風に吹かれて沢山の桜の花びらが舞っていた。

季節はまた、新しい春を迎えた。