ブログを始める前に書きためたものがある。何もできなくても文章は書けるたちだからだ。
最初はそれをここに出そうと思っていたが、気が向かなかった。

いちばんリアルな、残されたわたしの気持ちを、いまなら、少しずつ出せるかもしれない、順不同で記事にしようと思う。

青龍記1

 ピカチュウのように、私は、「なきながらせんたくものをほす」「なきながらにんじんをきる」「なきながらちょこをくう」を覚えた。
 ベッドで寝転がって泣くと鼻がつまって苦しい。ソファーに座って泣くと、もう立ち上がれないくらい疲れてしまう。祭壇に向かって泣くと、呼びかけが狂女めかしくなってくる。骨箱の前で泣くと、骨箱を加減しつつも叩き続けてそのうち骨壷を割ってしまいかねない。あの子の抱き枕を抱きしめて泣くと、私の涙で抱き枕のあの子要素が汚れちまう。
 だから、泣きながら、家の中をうろうろしてやることを探す。
 焼きそばを作った。さいごのひとかたまりを口にしたとたん、悲しくなって、口の中のものも皿のものも捨てた。それから、泣きながら食器を洗った。
 夫は、泣きながら掃除機をかける私を羨ましく思っているかもしれない。
 なぜなら「泣きながらコンピュータに向かい仕事をする」技を、まだ身につけていないからだ。