江戸の「ことわざ」面白講座(95) | 爺さんの徒然日記

江戸の「ことわざ」面白講座(95)

《江戸っ子の文化》

 

◆芸は身を助ける

 

 

「芸」にも学芸・武芸・技芸など様々あるが

ここに言う芸は唄や三味線・踊りなどの遊芸である 

 

金に困らないとき道楽で習い覚えた芸が

その後落ちぶれて困窮に迫られた時

生計を支えるのに役立つことをいう 

 

 

極端な例が

「幇間(たいこもち)挙げての末の幇間(たいこもち)」

で幇間を引き連れて家産を蕩尽するほど遊んだ挙句

今は自らが幇間となっている 

こういうのを

「芸が身を助けるほどの不仕合わせ」

といった 

 

江戸時代には男も女も芸の習得に熱心であった 

商家の主人ならば同業者の寄合で芸を披露することは

商売上も不可欠であった 職人も同じで

顔つなぎのためには唄の一つも歌えなければならない 

 

 

一方 女が芸を習うのはもっと実利がからんでいた 

江戸では娘の最良の奉公先は武家で

そのためには健康や器量だけではなく遊芸も大事であった 

武家奉公を数年勤めると礼儀作法や言葉遣いが身に付き

それが大きな商家への嫁入りにつながった 

 

 

式亭三馬の「浮世風呂」には

母親の命令で四、五カ所も稽古通いする娘のことが

詳しく書かれている

しかし その多くは目論見通りにはいかず 

この女の子はやがて普通に結婚すると

今度は自分の娘に熱心に稽古事に通わせた とある

 

(^。^)y-.。o○

 

bye-bye  (>_<)