江戸の「ことわざ」面白講座(87) | 爺さんの徒然日記

江戸の「ことわざ」面白講座(87)

《江戸っ子の文化》

 

◆楽隠居 楽に苦しむ

 

 

楽隠居は仕事をしなくてもよく

また何も心配せず日がな一日好きに過ごせるというと

その何もしなくてもいいのが苦痛であるということ 

 

楽隠居なんかできずいつまでも働かなければならない

江戸時代の大半の庶民から見ればずいぶん贅沢な悩みである 

 

大名や上層の武士・商家では24、5歳で家督を継ぎ 

それから懸命に20余年は働いて

50歳前後で24,5歳になっている息子に家督を譲って隠居する

というのが理想的な人生の過ごし方であった 

 

 

武家ならば隠居するまでの間は御家安泰を第一とし

商家ならば家産を増やすのが務めであった 

その積み上げた資産の中から隠居米・隠居料を確保して

その後は好きな事をして暮らすのが楽隠居である 

 

 

 

伊能忠敬は数えで17歳の時下総佐原の伊能家に婿養子に入り 

家業の酒造業ほかを励んで傾いていた家運を挽回した

50歳で隠居して家徳を長男に譲り翌年に相当の隠居料を持って江戸に出て 

若い頃からの念願であった天体観測・測量を始めた 

忠敬のような偉業は例外ではあるが 

商家の主人は隠居を目指して懸命に働いたので

隠居文化も充実していた 

 

 

他方いざ楽隠居してみると勝手が違うと我儘をいう人は

いつの世でもいるもんである

 

(^。^)y-.。o○

 

bye-bye  (>_<)