サルメンエビネ (猿面海老根)
サルメンエビネ (猿面海老根)
夏えびね静寂(しじま)深める山社
猿面の花皺悲し夏えびね
木漏れ日や隠者好みのえびね蘭 ひだまり
山中に生える多年生草本、地上部は冬かれる。葉は倒皮針形で、
厚膜質を帯び、縦にひだがあるが比較的に平坦で、下部は広い柄になる。
葉の間から花茎を伸ばし、7~15輪くらいの花をつける。
海老根(エビネ)に比べると花のつき方は疎らで、1つ1つの花が大きい。
萼と側花弁は淡い黄緑色をしている。
萼片3は狭長楕円形、側花弁は広倒披針形で、何れも先がとがり黄緑色。
黄色のカブト状の部分は「蕊柱」、下に葯に包まれた8個の花粉塊がある。
唇弁は紫褐色で3裂し、側裂片は小さい。中裂片は大きくほぼ四角形。
先端の縁には「ひだ」があり、中央に「とさか状」
の突起がある。唇弁の赤味を帯びてしわの寄っているのを、能の
「猿面」に見立てたものである。
海老根は根の形をエビのしっぽにたとえている。
サルメンエビネ (猿面海老根)
ラン科 エビネ属
花期:5~6月 分布:北海道、本州、四国、九州
絶滅危惧Ⅱ類(VU)
季語、晩春 (えびね・化偸草・蝦根・海老根 蝦根、藪えびね・)