家島 彦一
イブン・バットゥータの世界大旅行―14世紀イスラームの時空を生きる
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14世紀に北アフリカから中国にわたる大旅行をしたのに、あまり知られていないイブン・バットゥータについてコンパクトにまとめられた良書です(今でもよく知られてるマルコポーロだって、彼と同時代の人だったのに!!)。著者の家島氏は、何年もかけてイブン・バットゥータの大旅行記をアラビア語の原典から翻訳したという、イブン・バットゥータ研究の世界的な第一人者。

この本の巻末には、イブン・バットゥータの全旅程図がとじられているのですが、そのあまりのスケールの大きさに、まず驚かされます。今みたいに交通手段が発達していない時代、しかもあちこちに山賊や盗賊が出るような時代(実際、イブン・バットゥータは何度か持ち物すべてを盗賊に奪われたらしい)に、これだけの大旅行をしていた人がいたなんて!

そんなイブン・バットゥータの大旅行記ですが、最近家島氏の翻訳が完了して、8巻本として東洋文庫から出ているようです。読んでみようかな。