ヒトの染色体数は46本。
うち、常染色体と呼ばれるものが22対で44本。
残りの2本は性染色体と呼ばれ、性別を決定する要因となり、女性の場合はX染色体が2本、男性の場合はX染色体とY染色体が1本ずつの組み合わせ。
両親の遺伝情報はすべてこの染色体の上に塩素配列としてデータ化され、新たな生命が誕生した際にその形質を発現します。
和貴の場合、そのうちの第11番染色体にある遺伝情報が欠落していたために、WAGR症候群と診断されたわけですが、では、なぜその遺伝情報が欠落したのか?
考えられる理由のひとつに、両親(私か家内)のどちらかのもともとの染色体上の遺伝子情報に、異常があることがあげられます。
そうだとすると、もし和貴に弟か妹ができた場合に、その子も和貴と同じWAGR症候群を抱えて産まれてくる可能性が非常に高いということ。
第1子に障害を持つ子を授かった親として、第2子を産むか産まないかの選択というのは、非常に悩ましいものとなります。
もし、第2子も同じ障害をもって生まれてきたら・・・?
不安なのです。
1ヶ月前に、遺伝科の先生にこのことを相談する機会があったために、お話を伺ったところ、両親の染色体検査を受けることができるとの事でした。
両親の血液中の白血球を培養し、染色体の任意の位置(この場合は11番染色体。和貴の遺伝子情報が欠損していた部分)に蛍光色素でマーキングを行い、染色体情報の有無を確認する。
両親ともに、11番染色体の遺伝情報が正常であれば、第2子以降にもWAGRの症状がでる確立は非常に少ないと判断できるとの事でした。(あくまでも、絶対ということはないとの事ですが。)
その場で採血をしてもらい、検査へ。
そして一ヶ月が経過し、今日がその結果発表の日。
結果は、両親ともに第11番染色体に異常は見られず。他の染色体への移転や重複なども観られないとの事でした。
・・・・正直ほっとしましたが、すっきりしたというわけでもありません。
なんとなく釈然としないながらも、肩の荷がおりたというか。
もし、次の子がWAGRの可能性があるかもしれないといわれたときに、私はそして家内はどうするのだろう?
そのときになってみないとわからない事のはずなのですが、どこかに引っかかったままになっています。
東京の開花宣言が出されました。
通勤途中の桜の樹の根元に、すでに咲いている桜が。
はげまされ、勇気付けられました。
やっぱり、生命って凄いものだな。