いと小さき君の為に 1 | 光と風の中の防波堤で …

       




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


楽しみにしていたツーリングは
冷たい雨に流れてしまったけれど


その翌日


澄みわたる蒼天が眩しかった日曜日



凍てついた雨上がりの早朝のこと


目覚めた僕はcameraを手に
霜柱を無意味に踏みしめながら
庭のほうへゆっくりと歩いてゆく


葉を落としたハナミズキのそばの
熟れて朽ちかけた山茶花の前 …



青い冷気はcameraを構える僕の指に
きりきりとその爪を立てており


僕は朽ちた山茶花に魅せられて
逆光のなか痛みを忘れ対峙する


息を殺したまま …


透きとおる花弁に張り巡らされた
毛細血管のような葉脈にピントを合わす


親指と中指で挟んだフォーカスリングに
微妙なさじ加減で意志を伝える


曖昧であった葉脈が徐々に浮き上がる


それは


陽光に蕩( とろ )けた薄紅の肌に
薄っすら淫らに透ける青い血くだのよう



そうして僕は
こころがシャッターを切るその刹那を


今日も息を殺したまま …


ただ静かに待っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







とても寒かったけれど


今日も世界はこんなに美しい





 


 

 

 

 





おはよう


ごめんよ 今日もあまり疾走れないんだ


ちょっと … 出かけてくるね





国道では多くのツーリングライダーとすれ違う

 
空はこんなに嬉しそうだもんね


帰ったら少しだけでも …

 

 





 

 









出先の街中で見あげた木の上に
漆黒の翼をもつあの黒い鳥の巣 発見!


山や森の木の上にだけ巣を作ってると思ってた


街中は世知辛いかもしれないけれど
子育てしっかりがんばりなよ


 

 





 

 

 

 






子どもたちがおやつを貪る午後3時


小一時間ばかし疾走りました



んっ?


黒寅 今日は鷲羽山へは行かれないんだ


また今度 行こうね


んっ?


黒寅 やまなみは塩カルだらけだよ


あったかくなったら 行こうね




風はとても冷たかったけれど


たくさんは疾走れなかったけれど


黒寅の背なで味わう風はすごく気持ちよくって


僕はゆっくり流るる雲をうっとりと眺めながら


黒寅との偉大なる逃避行を終え家路を急ぐのでした






次回!


いつも留守番ばかりでごめんね


今日はきみにプレゼントがあるんだ


ちょっと大きいかもしれないけれど …







 

 

 

 


 


 


D寅くんとの偉大なる逃避行へ








To Be Continued ♪ →