不意に、浅倉威の握るベノサーベルに抵抗がなくなった。
浅倉は舌打ちすると、
「あぁ~」
と、悦楽にも似た吐息を漏らし、
武器を投げ捨て、腹部のデッキからアクセルベントのカードを引くと、蛇の頭部を模した召喚機にセットして、ベンチに向かって加速しながら駆け出した。
ミメットはベンチに座っていたのだが、渡辺麻友のような顔で驚き、目を丸くした。
突然目の前に高見沢が現れ、チタン製のヨーヨーを放ってきたからである。
ミメットは、思わず目をつむってしまう。
だが、その時、
オトナの香水の匂いがして、
浅倉威が両腕を広げて立ちはだかった。
目を開けてそれを見るミメット。
ヨーヨーは、浅倉の腹部のデッキに激突したあと、破片が散る中、横回転しながら高見沢の手元に戻っていく。
ミメットが血相を変えて叫んだ。
「浅倉さんっ!?」
浅倉威は、美形な顔を辛そうに歪めながらも、
「気にするな、早く逃げろ…」
と、優しく言った。
巨大なガラスが粉砕するように浅倉威の変身が解除されていく。
高見沢は、鼻で笑って、
「馬鹿だねぇ…モンスターなんか助けて」
と、言ってから、
「まあ、いいや。
とりあえず死ねよ」