Bは顔色を変えると、こみ上げてきたものを地面にぶちまけた。ぶちまけながら、神宮寺の左フックで顔を殴られ、ちょうど起きてきたAとぶつかって、抱き合うように倒れた。次に入ってきた3人目の男(C)の手元を見て、神宮寺は横っ飛びでかわした。
Cの改造ショットガンが火を噴き、アンナの隠れている個室のドアに風穴があいた。
その穴から安城アンナのくっきりとした美しい瞳がのぞいて、まばたきをした。
初老の男(C)は、ニヤリと笑うと、また起き上がってきたAの顔面を蹴りとばして叫んだ。
「アンナ~っ!
日露戦争勃発じゃあ!!」
神宮寺は、ショットガンをなんとかしようと、初老の男の腕に飛びついたのだが、空手の前蹴りをくらって後ずさった。
そこへ4人目の男(D)が入ってきて、神宮寺の首筋にスタンガンを当てようとした。
だが神宮寺はボクサーらしく、執拗に迫り来るそれを頭を振ってかわし、Dの顔面に右ストレートを打ち込んだ。
ニッと笑うD。
なんと、Dは神宮寺のパンチを額で受けていたのだ。俗に言う、額受けである。
「こいつも空手家か」
神宮寺の表情がけわしくなる。
Dはスタンガンをしまうと、空手の構えをとった。