かつて新聞記事を読んで、例えば殺人事件などにはそれに至る長い物語があったのではないか、と想像をめぐらすことがありました。
想像は創造となり、事件とはかけ離れた物語を作り上げてしまったりしたのです。
最近読んだ本の中にかつてを思い出すコラムがありました。
イギリス・コラム傑作選「たいした問題じゃないが」のミルンのコラムです。
『17世紀の物語』のそれにはこんな文があります。
「田舎の墓地で、古い墓石に刻まれている名前を読むと、時に考え込んでしまう。今から百年前にどういう人の生涯が終わりを遂げたのだろうか。・・・・教区の戸籍には、履歴の全てが記録されている。誰がいつ生まれ、いつ結婚し、何人子供を持ったか、いつ死亡したかと。それぞれの人生の骨格のみだが、それに空想によって服を着せて、生き返らせることが出来る。」
そしてある女性の記録から一つのストーリーが生まれてくるのです。
その女性の最初の記録は結婚、二つ目の記録は一年後未亡人になった際、三つ目はそのひと月後再婚、四つ目は再婚の翌日死亡。
ミルンはそこから彼女の死は自殺と想像します。
そこからさかのぼると、最初の結婚は親からの強い勧めで愛する恋人を諦めての結婚。
恋人を愛する彼女は恋人と共謀して夫を殺害したのではないか。
裕福な夫の遺産を受け継ぎ恋人と再婚。
しかし、恋人は財産が目当てで、彼女を愛してはいなかった。
それを知った彼女は自殺をした。
かつて、新聞記事を読んで想像を膨らませたことを思い出し、もちろんミルンとは想像力において雲泥の差ではありますが大変興味深く読み終えました。
ミルンは「クマのプーさん」の著者ですね。
では、皆さん
素敵なゴールデンウィークをお過ごしください!