二人に一人は癌になるという昨今、癌宣告は召集令状のようなものでしょうか。
闘病は戦地での闘い。
手術による闘い、抗がん剤による闘い、いずれも辛いものでしょう。
そして、生還する人あり戦死してしまう人あり。
知人が一年ほど前に召集されました。
放っておいたのが災いし、検査を受けたときにはステージ4で、手術も叶わない状態だったのです。
知人は自認温熱方法で闘い、その効果があったのか痩せた体に肉が戻ってきました。
その知人は30年以上も前から知っておりましたが、ゆっくり語り合うことも無く時間が過ぎておりました。
召集される二・三カ月前に再会し、毎日のようにお目に掛かる機会がありました。
30年前には話さなかった様々な話題に、その方の人生、そして苦しみを見たように感じたのでした。
学生時代から音楽活動をなさっていたらしく、年に2回のライブは毎回会場があふれ、あっという間に別世界へ誘うライブになっていたのです。
生き生きと楽しそうに歌うそのお姿は、30年前の気難しそうな知人とは別人でした。
今年になって急に食事が出来なくなり、みるみる御痩せになるお姿には、言葉に出来ない辛さを覚えました。
活字が大好きで、常に活字に触れていたかったのでしょう、手には常に本か新聞が載せられていたのです。
お盆過ぎ、急な入院になり点滴で命をつなぐようになりました。
今のコロナ現状もありお見舞いはかないませんでしたが、幸い携帯電話は使えるようでしたので、電話でお加減を伺う日々が続きました。
もう読めなくなった本を貰ってくれないかと電話で言われ、ドンと沢山の本が届きました。
それらを整理し、本のタイトルにまだまだその方を知りえなかった悔しさと虚しさを覚えたのでした。
生還して下さり、それらに関して語り合いたいと強く思うほどに。
今朝、戦死の知らせが入りました。