礒江毅(いそえつよし)の作品に
「鮭”高橋由一へのオマージュ”」という傑作があります。
(高橋由一『鮭』)
板の上に半身を削がれた鮭が縄で縛られているのです。
驚いたのは、勿論その板も描かれたものですが、縛っている縄が板から飛び出しています。
そして、その飛び出した部分だけ、本物の縄なのです。
描かれている縄と、本物の縄にはほとんど差がありません。
そこには、板に縄で縛られた鮭そのものがいるのです。

その鮭は身を縛られているばかりではなく、口を大きく開けて、その口から出る太い縄で板に吊るされています。
目をくりぬかれた鮭の顔は、それでも威厳を失わず、堂々としています。
半身を削がれようが、吊るされようが、目をくり抜かれようが、王者の風格を成しているのです。
礒江が、どれ程モデルに敬意を払っていたかが窺い知れるような作品です。

是非、ご堪能いただきたく、お勧めいたします。


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