あのハンバーガーの試合。
僕はそこで、ある大きな課題に気づきました。
それまで僕は、
技術を教えていました。
体力を鍛えていました。
泳ぎ込みもしました。
競泳のジュニア育成方法も研究しました。
できることは、いろいろやってきた。
でも、
最後の一ピースが足りなかった。
それが、
メンタルでした。
試合で最後まで戦う気持ち。
失敗しても切り替える力。
苦しいときに、もう一歩踏み出す力。
仲間と一緒に戦う気持ち。
そして、
「自分ならできる」
と思える気持ち。
そこを、ちゃんとトレーニングしていなかった。
そう気づいたんです。
それから、チームの練習方法が変わりました。
技術だけを教えるのではない。
体力だけをつけるのでもない。
心をどう鍛えるか。
そこに重点を置くようになりました。
すると、チームが少しずつ変わっていきました。
そして、やがて、
常に勝てるチーム
へと変わっていったんです。
その方法は、いつしかチームの中で、
「シークレットトレーニング」
と呼ばれるようになりました。
面白いですよね。
特別な道具があるわけでもない。
特別な技術があるわけでもない。
人の気持ちをどう動かすか。
どうすれば、本人の中にある力を引き出せるか。
そこを考える。
それが、僕の指導論の大きな柱になっていきました。
そして、この経験は、後になって思いもよらない場所で生きることになります。
水球の選手を育てるために考えていたことが、
今度は、
子どもたちの支援に役立つことになる。
そのときの僕は、まだ知りませんでした。
つづく。
