《出雲伝説7/8の殺人》は島田さんの作品、吉敷竹史シリーズの一つです。主人公の刑事吉敷竹史はあるバラバラ殺人事件を知って、それを調べてみたら、その事件と日本神話と関係してるのが判明した物語です。

初めてこの作品に触れたのは、私が高校生になる直前の頃です。最初に見た島田荘司さんの作品、そして最初に見た本格推理小説ですので、私にとってすごく意義のある作品です。
「私はいつも負けてる、いつも負けてる。」(中国語の小説を読んでるので、意味的な翻訳です。原文を知ったらまた修正します。)犯人が残したこの言葉がすごく印象深かったのは、彼女が負けたと思っていないからです。研究については、何度否定されたとしても、失敗とは言えない、この領域で、敗者などないと、私はそう思います。しかし、その犯人は多分、比べることで負けたと思います。彼女は言いました。同じテーマを、死者はたった二、三年しか研究しなかったのに、犯人の父親は一生を研究したから、死者は彼女の父親の理論を否定してはいけないと。しかし、私はそれに納得できませんでした。研究した事件の長さは関係なく、自分の研究に詳しい以上、たとえ相手の質問がどれほど厳しくても、それを受け入れるのが私たち研究者の責任だと思います。もし犯人がその比べる考え方を諦めるのなら、死者の意見を素直に受け入れたら、そんな結末にならなくて済むのでしょう。

それから、犯人はある男性がやった研究は、誰かの人生を変えることができないと言ったことにも、私は納得できませんでした。研究の成果はともあれ、そうすること次第で間違いなく、研究者自身の人生が変わったと思います。次に、一つの研究は一つの経験、今はまだみんなを説得するほどの成果が出来ていないのかもしれないけど、いつか誰かがその研究から、新たな成果を見出せるのかもしれません。お馴染みのメンデルだってそうじゃありませんか?彼がたくさんの時間と工夫を使って出来た遺伝物質の研究は、当時(1866年)では大事されていなかったが、彼
が亡くなって16年後、その研究はやっと人々に称賛されて、そして彼は遺伝学の祖と呼ばれました。吉敷さんの言う通りに、その男性の行動はやがて、犯人の一生を変えました。

この作品によって物語を書くのは、正直難しかったです。台湾にいる私は、電車の便利さを理解することが難しいし、それを事件に使うことも難しいです。しかし、今年の九月から、私は家から離れて、遠いところの大学に通いましたので、電車や新幹線に乗ることも増えて、少なくとも、前より電車のことをよく知りました。物好きな性格ですし、これ以上このシチュエーションから逃げるわけにはいけませんので、今回は電車を使います。もちろん、本格推理になりますので、コメントもよろしくお願いします。

最後は、前回の《鳥居の密室 世界にただひとりのサンタクロース》を改作した物語で、桜の木の下の四人が正式に復帰しました。これからは赤蝶など、様々なキャラクターが集まると思います。そして《桜の木の下》で出ていた《バカでも、好きになる》のキャラクターたちは、必要ならもっと来てくれるのかもしれませんね。前回では七海貴志と黒沢礼節が登場しました。ともあれ、《バカでも、好きになる》と《桜の木の下》両方とも、私の大事な作品ですので、ぜひこの子達には、自分らしい人生を生きられますように。最後の最後で、やなの目が早く戻りますように。