「兄さん!朝田さん!」
礼節はGLOWWORMの前に立っていて、誰かを待っている様子。
「礼節!ごめん、さっきは詳しく説明する余裕がなくて。」
「いいんです。先ほど警察のところから話を聞かせて頂きました。」
義孝は戸惑っているが、綿は周りを見ていた。
「輝星も質問されるだろう」
「はい。輝星は店員ですし、その二人を見かけていましたので、質問されました。」
「ってことは、あなたはここで...?」
「旦那さんを待っています。」
礼節の話が終わったと同時に、ある車が急いで彼女の隣にたどり着いた。
「輝星が警察に連れていかれたってどういうこと!僕が言ってあげる!」
「落ち着いて。輝星に聞きたいことがあるだけだよ。」
「しかし...」
綿は微笑んで、そして隣の警察官に小さな声で話をした。
すぐに、その警察官が二人を案内すると言った。
「義孝、行くよ。」

「七海輝星の証言によると、この二人はカフェで食事をしたが、特に様子がおかしいとは思いませんでした。」
「...つまり、問題の発生は食事をしたあとの話ですね。」
「そうでしょう。」
幸せそうな二人の間に、何かが爆発したみたい。
しかしその導火線について、やなは綿に任すしかなかった。
「それと他に、輝星ちゃんは何か特別なことでも覚えていました?」
「その...あ。瀨間は左利きです。」
「左利き...そういえば、輝星ちゃんは店の閉店に手伝いますか?」
「ほとんど名瀨さん一人でやりますが、一度だけ、彼女が手伝いました。」
「つまり彼女は、どこが自動の鍵か、どこが普通の鍵か、知っていますか?」
「知っていますね。我々は全部を聞いて、一つずつ確認しました。」
「その中に、自動の鍵はどれくらいいますか?」
「自動の...表口と裏口だけです。」
「表口にドアスコープがありますか?」
「えっと...あります!」
やなは微笑んだ。
一つの密室が解かれた。

「当時名瀨さんはこの机で寝ていました。彼女の証言によれば、この机に袋がひとつあるはずです。」
警察官は二人に語りながら、窓辺の机に指さした。
「袋...形を言いましたか?」
「はい。全体的にピンクですが、上にはラメがあって、縄の方は青色だと言いました。」
「...なるほど。」
現場で見つけた袋と似ている。
綿は当然、それを気付いた
「彼女を起こすまで、他の突入方法は考えなかったの?」
「あります。裏口から入ろうと思ったけど、鍵がかけています。」
「窓は?」
「見てる通り、全部鍵がかかっていました。」
綿は眉をひそめた。
もしこのカフェは密室だとしたら、その袋は必ず、現場に行くわけにはいかなかった。

GLOWWORMの調査が終わった綿と義孝は、七海夫婦を説得したあと、警察署に向かう。
彼らを待ってる、二人がいるから。
「佐藤先輩、朝田さんと黒沢さんが来ました。」
「わかった。やなさん、一緒に来ますか?」
「はい。」
やなの表情は、異常に冷静だった。
ソファに座っている綿と義孝は、すぐ徹とやなの姿を見つけた。
「もう現場に行ったか?」
「おう。現場には行ったし、GLOWWORMにもな。」
「ってことは、もう犯人がわかった?」
「ふむ、当然だ。」
綿はやなの目の前で立ち止まり、彼女の手を丁寧に握りしめた。
「行こう。」

「真相を暴く。」