「バカ、その人が僕だと思ってるの?」
「思うのではなく、確信だ。」
「ほう?理由は?」
「この守りをくれた人は、君しかない。お守りをくれたあの男の子は、私の家に入れないだろ
う。
「初めての出会いは、奇跡かもしれないけど、今回はまぐれじゃなく、私のために、君がき
てくれたんだ。」
綿は何も言わない、言えない。
すぐにでも、涙がこぼれそうで。

「綿?」
「じゃあ、次の問題は?」
「笹?それは本当に知らない。」
「そう?じゃあ自分で頑張ってね。」
「ちょ…ちょっと待って!」
綿は微笑んで、やなの頭を撫でる。

「やな、君は夜で、僕は朝。
「二ヶ月前の出会いに、本当に感謝してる。
「この二ヶ月間、君の楽しさも、苦しさも、一緒に分かち合いたい。
「できれば、この旅を終わらせたくない。
「でも、僕は君が理想を追うのを、止めるわけにはいかない。
「誰でもない、君の憧れの、僕だから。」
綿はやなの額に、口付け。

「ありがとう、君が書いたその笹で、ずっと僕を支えてくれて。」