「明?どうかしましたか?」
悩んでる明を見て、撫子は心配して問いかけた。
「この女性の名前を見て下さい。」
撫子は資料を見た。教授の黒石大和。
「はい?」
「どこか似ていませんか?」
撫子は少し戸惑って、そして悟った。
彼女の名前は白石撫子、この人の名前と似すぎた。
白の反対である黑、そして日本の大和撫子、あまりにも偶然過ぎる。
「何か手係があるかもしれませんか?」
「わからないけど、なんか変です。
「まだ知っていないことがあるのでしょう。」
「それをお願いしよう。」
隣で悩んでる綿は急に口出した。
「聞いてるのですか?」
「当然だろ、君たちも何か大事な鍵を見つけるかもしれない。
「関わってるかどうか知らない場合は、勝手に捨てるわけにはいかない。
「この件については、君たちに負けせてもいいのか?」
明と撫子は、この手係が大事なのかもしれないと思って、すぐ引き受けた。
それ以上のことが思い浮かべず、みんなはそれぞれの部屋に戻った。
「こん。こん。」
夜中でトイレに行った綿は、誰かが咳をしてると気付いた。
「なんだ、君か。風邪?」
お化けだと思って期待してる綿だが、見つけたのはやなだった。
「はい。少し苦しくなりまして。」
「はぁ。ちょっと待って。」
激しいガラスの割り声をしたあと、綿が帰った。
「さぁ、美味しいハーブティだぞ。」
「ありがとうございます。失礼ですが、さっきの声は?」
「あぁ、不意にガラスコップを何個割れたんだ。」
惨状を聞いたやなは、ため息をした。
「だからいつも義孝に紅茶を淹れてもらいますね。」
「それは彼の好みだけだ、僕は紅茶を淹れることも上手だ。」
「ハーブティだから、やっちゃいました?」
「その通りだ。」
やなはくすっと笑った。彼を大物だと思ったら、子供っぽい時もあった。
「今日は情報をたくさんあったけど、何か思いついましたか?」
「言わないよ。勝負してるからな。」
「ズルをするつもりじゃありません。私は...こん…こん…。」
やなは急に咳をして、吐けそうくらいになった。
「ふぅ。私は…」
「待って!また話すつもり?」
「もちろんです。話すつもりだったけど、先に咳をしただけです。」
「風邪がひどくなったじゃないか?明日はホテルで休んで。」
「ダメです!やることはたくさんあるのに、休むなんて!」
「ほーら、呼吸が荒くなってるぞ。心配させないで、ささっと寝ろ。」
綿はやなを説得しながら、彼女を部屋に入らさせた。
「うろうろするんじゃないぞ、いいよね?」
綿が怒ったと気付き、やなは仕方なく頷いた。
「心配性ですね。」
いつも身元に持ってるお守りを見つめ、やなは眠りについた。