使用人の三人が落ち着いたから、綿たちの調査も始めた。
「あの頃はみんな寝ていて、明さんに起こされなかったら、火事など気付いていなかった。」
「ロビーで集まったら、旦那さんと奥さんは、明さんとお嬢さんを連れて行け、自分はここに残ると。」
使用人の話を聞いて、綿は少し眉を曇らせる。
「一緒ってのは思わなかったの?」
「旦那さんは大丈夫だが、奥さんの足はよくなくて、一緒に逃げないんだ。」
「そうか。火事の一か月前から今日まで、何か出来事でも?」
「疑点…だっけ?旦那さんはここ最近、いろんな決断をしたんだ。」
「おう!そうそう。明さんに会社を入らさせたとか、生命保険を何度も確認して、貴重な家具を倉庫まで運んでと言われた。」
「遺書も書き始めたみたい、まだ完成していないみたいだが。」
「うん、いろいろ書き切れないんだって、旦那さんはそう言った。」

「それ以外の出来事はありますか?」
やなは使用人たちが語った変わったことをメモした後、三人に質問した。
「そういえば、決断というか、旦那さんからの命令はもうひとつあるんだよ。
「芝生を乾かすのやめるって。」
綿はすぐ座り方を変更して、興味津々に見えた。
「もっと詳しく言ってくれないか?」
「わかった。俺達には芝生の整理をしながら乾かせる機械があるんだ。
「だが、旦那さんは雨上がったその匂いが好きだと言って、禁止された。」
「それはそれは興味深いね。」

「そういえばこのお嬢さんは、ほかの出来事ないかと聞いたよね?
「お嬢さんの病気は入れるのか…?」
「えぇ?彰子さんが……病気ですか?」
今度はやなの番だった。
「はい。お嬢さんは急に風邪引いて熱も出て、医者さんを呼ぶことになった。
「明さんは、ただの風邪で、休めば治すと言った。
「そのあともよくお嬢さんが遊んでる姿を見かけたので、安心した。」

「ほかの質問はあるか?」
やなと綿はないと答え、三人は一緒に病室から出てきたら、義孝は病室前に立ってる。
「黒沢、遅いじゃないか?」
「僕は……僕として、明から何か情報でも得られると思いまして。」
「へぇ、で、何か情報でもあるの?」
「ない……です。」
「そうか?仕方ないな。バカ長の休憩室に行こうか。」
「むかつくだが、確かに休憩を取りたいところだ。」

「...もう一度明のところへ行きます。」
「義孝?」
休憩室から急に走り出した義孝を見て、やなは綿に見たが、怒りを持つ目線と合わせた。
「どうかしましたか?」
「ないけど。」
「ついていきますね。」
「うん。」
綿のことも気になるが、やなはより変な義孝を心配して、休憩室から出た。

明と彰子の病室の前に立って、やなはドアを開けなかった。
「やっぱり朝田や、やなにも言えないよね?」
「うん。悪い、困らせた。」
「そんな...目を合わす時はどうしても心配するけど。」
明は彰子に布団をちゃんとして、窓の外を見ていた。
「安倍さんは...元気でいた?」
「うん。光は元気だ、心配するな。」
「ならよかった。」
明は地上を見て、何か言いかけそうで、言えなかった。
「早く帰ろう、あいつらは疑うぞ。」
「うん。」
義孝は立って、忍野の背中を見て、病室から離れた。

「やな...!」
「忍野会社の状況...大変でしたね?」
「えぇ?」
「忍野明とたくさん話したし、少し情報をくださいよ?」
本当に聞こえなかったのか、聞こえなかったふりをしているのか。
義孝はやなを見つめて、初めて彼女を深いだと思った。
「はい。大変な状況だと聞きました。」
やなは長いため息をして、そして指を唇に当てて、悪魔のように微笑んだ。
「あのくそ野郎を騙しましょう!」