「聞かなけりゃ良かった」と決して言いたくなかった
夏の終わりやけに冷えた夜明け前のブルー
「本当のことならば良いも悪いもないだろ」
僕はただ揺れる声に相槌を続けた
電話の向こう
その人にまだ君は今も恋しているんだね
僕の知らない愛しい記憶
君の顔が見えないよ…
一人僕は海へ落ちて
飲み込んで
飲み込んで
飲み込んだ時はじめて
愛の輪郭に触れたけど
今はまだ泳げない
「好きよりも好きだ」って君が言ってくれた夜
ホントは何を見ていたの?
別れ間際のキス
偽物の恋だとか
ただの代わりだったとか
もういいよ、もういいから
自分を責めないで
電話の向こう
君と夢見た短すぎる日々が終わっていく
剥き出しになる君の傷跡
泣きたくなんかないのに…
一人僕は海へ落ちて
飲みこんで
飲み込んで
飲み込んだときはじめて
愛の輪郭に触れたけど
今はまだ泳げない
沈み続ける僕をもう一度
光る水面へ登らせるのも
きっと愛だろ
それは愛だろ
僕らはまだ愛を知らない
一人僕は海へ落ちて
飲みこんで
飲み込んで
飲み込んだときはじめて
愛の輪郭に触れたけど
今はまだ泳げない
それでも手を伸ばすよ…
イヤホンをしながら公園のベンチで聞きました。
静寂の中、透き通る切なさのある声とピアノの音がこの世の中のすべてのように思えた夏の夜…