榊田健三110歳は、ゴールドに輝くスカイツリーを見上げながら、沸き起こる胸騒ぎを抑えられずにいた。このゴールドメダルの色が、失望の青紫や、怒りの赤紫に変わらなければよいが、と願うばかりであった・・・


戦前戦中戦後、全世界を股にかけて飛び回るブローカーの榊田が訪問した国は、実に80数か国に上る。ここでは明かせぬ彼の仕事柄、世界中の闇組織との交渉も日常茶飯事であったし、その筋から入る独特の裏情報、例えば、クリントンの不適切な関係で彼はどの程度満足したのかとか、ベルルスコーニが密室で少女と何をしていたかとか、ここで明かせば、それこそ若者が悶絶死しそうなものも多い。


そんな彼のもとに、東京オリンピック招致に関する重大な報告書が届いていた。それは、ユダヤロビイストや中韓の特殊エージェントがヨーロッパやアフリカで展開している、凄まじい反日キャンペーンの実態を詳細に綴ったもので、それによると、オリンピック招致は反東京で固まりつつある、という衝撃の内容であった。


報告書によると、ヨーロッパでは貿易自由化交渉で先行する韓国が、交渉の過程で培ったEU主要国との太いパイプを活かし反日キャンペーンを展開。もともとアベノミクスに冷やかな感情を抱いていたドイツのメルケル首相が、ドン麻生のナチス擁護発言を機に激怒。あべちゃん、ちょっとぎゃふん言わせましょか、と言ったとか言わないとかで、ドイツを胸糞悪いと思っているギリシャ大統領パプーリアス氏以外のEU諸国はすべて反東京で固まったとされている。


また、アフリカ諸国では、韓国のほか中国も大々的なキャンペーンを展開しており、もともと賄賂はお手の物なので、アフリカ諸国の政府高官を、ドバイあたりの高級娼館で夜ごと接待しまくっているらしい。あの懐かしいノーパンしゃぶしゃぶも大好評と聞く。


アメリカ大陸ではユダヤロビイストがほぼすべての票を反東京で固め終っているという。なにしろ、橋下の米軍もっと風俗つかえや発言で気分を害していたところにドン麻生のナチス発言である。世界中、ユダヤの商人を敵に回して得するやつはおらんのだから、反東京で頼むよ、はいはいよろこんで、くらいのもんである。


アラブ社会では猪瀬のアラブあほちゃいまっか発言が根に持たれている。エジプトやシリアの騒動がシャレにならんレベルになればなるほど、かえって猪瀬憎しが募り、現地では猪瀬発言で騒動が過激化したとの報道がアルジャジーラで毎晩のように流されているというからたまったもんじゃない。


これに対して、親日的と言えるのは、シベリア開発でジャパンマネーが喉から手が出るほど欲しいロシアと、中国の海洋戦略にはらわたが煮えくり返っている東南アジア諸国、それに、前回のコンフェデ杯でぼろくそに負けてやったブラジルや、つい先日ぼろくそに負けてやったウルグアイなどの南米の一部の国ということらしいが、ロシアは最後にどっちん転ぶかわからんし、ブラジルが良ければアルゼンチンはダメ、という地域なので、南米をすべて取り込むことも不可能であるとの注意書きもあった。


そして、これは日本人として誠に残念ながら、東電の汚染水垂れ流しが全世界的にはアンビリバボー、ウングレラブリッヒー、どないなってまんねん、海はつながってるんでっせ、ということで致命的な悪感情を引き起こしているらしく、もともとクジラとるなよ、で揉めていたあの温厚なオーストラリアすらも、こりゃむりでっせ、と言い始めたそうだ。


そして報告書はこう締めくくっている。あんた、思ったより嫌われてまっせ。クラスにいませんでしたか?成績が良く、学級委員なんかに立候補して本人がえらくはしゃぐので、一応、みんな応援しているフリしてるけど、結局、彼のことが好きな子はひとりもおらんやった、そういう経験ありませんか?学校の先生は優等生の彼を褒めるけど、クラス全員、なんか胸糞悪いやっちゃなぁ、と思っている、なんて経験ありませんか?


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報告書を読み終た榊田は、世界各国との交渉で幾度も煮え湯を飲まされた過去を思い出し、苦痛で顔がゆがんだ。せめて、負けた時には猪瀬が都知事室で本当のハラキリを全世界に発信し、神の国、サムライ日本ここにあり、を見せてくれればいいのだが、と願うばかりである。


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今もスカイツリーはゴールドに輝いている。美しい・・・まるで麻生久美子のようだ・・・榊田老人はそうつぶやいて、永遠の眠りに落ちたという・・・


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つづく