「20番目のご当地ナンバーは『本町』『栄町』『新町』に決定いたしました」


国土交通省の発表に世間は度肝を抜かれた。下馬評の高かった世田谷や杉並を抑え、そんじょそこいらにごろごろ転がっている、有難くもない町名が選ばれたことに、国民の多くは驚きを隠せなかった。


が、そこは腐っても国交省である。エリート官僚である。選考するにはするだけの理由がちゃんとある。何もくじ引きで選んだわけではない。


「ご当地ナンバーの開設趣旨は、地域振興です。一定のつながりがある地域の活性化を目的として、広く認知された地域名を選ぶということになっています。日本全国津々浦々、どこにでもある本町や栄町、新町を選ぶことで、あまねくひろく、国民の福祉に寄与するものと熟慮を重ねた結果であります。世田谷、杉並を選ぶことは、東京への一極集中を助長し、貧乏人のねたみそねみがますます悪化する恐れがありますので、今回は見送ることにいたしました。なお、今後認めるとすると、一丁目、二丁目、三丁目あたりになろうかと思われますが、四丁目以降についての認可時期については未定です。また、一番地、二番地、三番地については候補に挙がっておりますので暫時お待ちください」


なるほどね。


と思った国民がどれだけいるかは知らないが、お上の決定にはしずしずと従うのがこの国の習わしである。該当する町名に住んでいる住民は、順次新しいナンバーへ切り替えることになった。本町一丁目一番地に住む人は人気ナンバーを選べていいね、と言われるが、誰も嬉しそうな顔をしていないのはなんででしょう・・・


・・・


・・・


「・・・少しお聞きしますが、この話題と私に何かつながりがあるんでしょうか。というより、最近はコメントする機会すらなかったような気がしますが、これは一体どういうことなんでしょうか・・・」


「・・・」


「・・・回答なし、ということでしょうか。言い訳なし、ということでしょうか・・」


「・・・」


「・・・なんなんですか、この離婚間近の夫婦みたいな無言の抵抗は。何とか言いなさいよ!」


「・・・」


「・・・わかりました。そっちがその気なら、私にも考えがありますから・・」


「・・・」


「むかっ!!この種無し野郎!!!お前なんか死んじまえ!!!!」


「・・・(しょぼん)」


・・・


・・・


つづく