とにかくミセス・ハリスが魅力的! いくつになっても着たいものを着たいということは尊いこと

 

「ミセス・ハリス、パリへ行く」はアンソニー・ファビアン監督によるドラマ映画。ポール・ギャリコによる小説「ハリスおばさん」シリーズの第一作『ハリスおばさんパリへ行く』の映画化作品である。主演は「ファントム・スレッド」などのレスリー・マンビル。イザベル・ユペール、ランベール・ウィルソン、アルバ・バチスタ、リュカ・ブラボーらが出演している。

 

ストーリー:戦争で夫を亡くしたミセス・ハリスは、1950年代のロンドンで家政婦をして生活していた。彼女のお得意先は変なお客ばかり。しかしある日、そんな仕事先で美しいドレスと出会った。それは、クリスチャン・ディオールのドレスだった。ミセス・ハリスは一目で心を奪われ、お金を貯めてパリへ行く。クリスチャン・ディオールのドレスを買いに。しかし、ディオールで待っていたのは冷たい仕打ちだった。

 

面白かったです。

何だろう、いいな。って思う作品でした。

 

まず、ドレスに憧れるっていうミセス・ハリスがすごく魅力的なんですよね。偏見だけど、ドレスって若い女性のためって思ってしまいがちですが、いくつになったって、着たいものを着るって素敵なことだし、何かを着たいって思うこと自体が尊いことだなと思いました。

 

それでパリに行っちゃうミセス・ハリスには「いやいや、もうちょっと考えて」って思っちゃいますが、それでもその行動力は見習いたいなって思うんですよね。すごいことですよ。それまでロンドンを出ていなかったのに、急に飛行機に乗ってパリに行っちゃうなんて。それだけの憧れをドレスに対して抱いたってことなんでしょうし、それがミセス・ハリスの魅力を上げていたと思います。

 

で、実際オートクチュールのドレスがどれも素敵なんですよね。映画で観ていて「うわー、いいなー」って思えるものばかり。これはミセス・ハリスも憧れちゃうよね、って思います。

 

でもディオールでは「こんなおばさんは相手にしないわ」って感じで冷たくあしらわれてしまう。この流れもディオールを美しくばかり描いていないというのが良かったですね。実際にディオールで働くような人はどんなお客さんにも平等に接してほしいとは思いますが。

 

それからミセス・ハリスがいろいろな人と出会って、いろいろな人の生き方を変えていくんですが、自分もミセス・ハリスと会ってみたいなって思うくらい魅力的で、なんだか元気になりました。

 

まあ細かいところはちょっとどうなのそれは、みたいなところもあるし、展開が急なところがあるかと思えばだらだらと進まないところもあり、とちょっとバランスが悪い脚本に感じたのですが、物語の軸となるミセス・ハリスが魅力的なので最後まで楽しく観ることができました。レスリー・マンビル、すごい良かったです。

 

原作がシリーズものって知らなかったのですが、続編も観てみたいなって思いました。やらなそうだけど。

 

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