個人的にはあまり世界観が合わなかったという印象

 

「四畳半タイムマシンブルース」は森見登美彦さんの小説『四畳半神話大系』とヨーロッパ企画の上田誠さんの戯曲「サマータイムマシンブルース」のコラボレーション企画。小説で発売され、アニメ作品としてDisney+で独占配信された後、再編集を経て劇場公開された。監督は夏目真悟さん。浅沼晋太郎さん、坂本真綾さん、吉野裕行さんらが声の出演をしており、ヨーロッパ企画の本田力さんが「サマータイムマシンブルース」と同じ役で声の出演をしている。

 

ストーリー:京都、とある大学の三回生である「私」は「下鴨幽水荘」の209号室で日々なんて事のない日々を送っていた。この「下鴨幽水荘」はエアコンがないほどのおんぼろアパートであったが、唯一209号室だけエアコンが存在していた。しかしある日、悪友の小津がリモコンを水没させてしまい、エアコンが機能しなくなってしまった。そんな折、タイムマシンに乗ってやってきたという「田村くん」なる男が現れる。エアコンのリモコンを復帰させるべく、タイムマシンに乗って昨日へと向かうが……。

 

面白かったです。

 

が、正直に言えば、「サマータイムマシンブルース」の方が面白かったな、という風に思ってしまいました。森見さんの世界観は良いのですが、ちょっとキャラクターがひねくれた印象になりすぎて、みんな普通に嫌なやつになってしまったな、って感じでした。愛すべきバカというよりも、こじらせた結果周囲に面倒をふりまく存在って感じで、ちょっと観ていて嫌な気持ちになってしまいました。

 

内容もほぼ「サマータイムマシンブルース」なので、ただただキャラが嫌になって、面倒な展開になったなという印象しかなかったです。

 

もちろんアニメ的に言えば表現が面白かったり、キャラクターの造形がかなりとがっていたりと良いところもたくさんあるのですが、実写映画のひと夏の青春!って感じのさわやかな印象が消えてしまって、屈折した大学生たちの醜態を観ている感じになってしまいました。

 

いや、それが森見さんの魅力でもあるし、良いところでもあるんですけど、あんまり「サマータイムマシンブルース」との親和性はなかったな、というか、悪い方に作用してしまったなという印象です。

 

もっと合うのかなと思ったんですけどね。普通に話は面白いし、良いんですけど、そこが結構大きく合わなかった感じで、あんまり好きじゃなかったですね。単純に不快感が強かったです。

 

この空気が好きな人も多いと思います。僕自身も森見登美彦さんの小説はほとんど買って読んでいるし、かなり好きな作家さんで、森見さんの世界観すごく好きなんですが、今回はちょっと合わなかったですね。残念。

 

ただ、アニメとして面白いところはいっぱいありますし、「サマータイムマシンブルース」を観ていない人にはおすすめです。やっぱり良い作品だなと思いました。

 

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