最初のアダム・ドライバーのコメディシーンがつまらなすぎて終了

 

「アネット」は「ホーリー・モーターズ」などのレオス・カラックス監督によるミュージカル映画。主演は「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバーと「インセプション」などのマリオン・コティヤールが務めた。「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」などのサイモン・ヘルバークらが出演している。音楽はスパークスが担当した。

ストーリー:絶大な人気を誇るコメディアンのヘンリーとオペラ歌手のアンは理想的なカップルとして日々メディアを騒がしていた。そんな二人に子どもができる。その子は「アネット」と名付けられた。しかし、徐々にヘンリーの人気に陰りが出てきて、彼はアンとの格差に悩み始める。

 

つまんなかったです。

ちょうど観た時は、スパークスを扱ったドキュメンタリー映画「スパークス・ブラザーズ」の予告編が流れていたので、冒頭にスパークスの二人がメインキャストと一緒に歌うというシークエンスがあったとき、「おお!あの二人だ」ってテンションが上がりました。

が、それがピークでした。

まず、物語が始まって最初(スパークスやメインキャストが歌うところはオープニングって感じで物語は始まっていない)のアダム・ドライバーのコメディシーンがとにかくつまらなくてしんどかったですね。そのため、全く物語に入っていけず。つかみで完全に失敗している典型という印象でした。

いや、もちろんアダム・ドライバーってコメディアンじゃないからさ、超絶人気のコメディアンをやらせるのもどうなのよって話はあるんですが、それにしたってつまらなすぎじゃない?笑えるところ一つもなかったけど。それなのに作中では観客がみんな笑っているし、そこが本当にしんどくて。アダム・ドライバーのパフォーマンスも問題なんだけど、コメディシーンの脚本も悪かったし、もう何だったんだろうって感じでした。

で、その後の話も全然共感できなくて。お前つまんないんだから落ちぶれるの当たり前だろって思っちゃうんですよね。笑いの方向性も攻撃的だし。なんか必死に頑張ってて、それでも売れなくなってしまうって感じだったらもっと共感できた気がするんですが、そういう感じでもなく。

ていうか「ホーリー・モーターズ」の監督ならつまんないのわかってたんだから観に行かなきゃ良かったな、って感じでした。物語の紡ぎ方が徹底的に合わないんでしょうね。とにかく苦痛な140分っていう感じでした。

一方で邦訳もちょっとイマイチだった気がします。

というのも、最後になって気づいたんですが、この作品はThe Abyss(深淵)がテーマなんですよ。多分。

ところがこの単語を文脈に合わせて訳していて、訳語を統一せずに扱っているんですよね。だから意味わかんなくなっていて、多分英語がもっとわかって原語版で観ていたらもう少し理解が深まったんじゃないかと思うんです。

それに水がたくさん出てきたり、二人の家の前のプールがだんだんよどんでいくのとかも多分深淵にかけた暗喩がたくさんあったと思うんですよね。だから、そこはちょっともったいなかったのかな、と思いました。

まあでもそんなこと関係なく合わなかったし、ずっとつまらなかったというのが正直な感想でした。

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