映像に全振りした内容。細かいところはいいんだよ!って思えればかなり楽しい

 

「ガンパウダー・ミルクシェイク」は「オオカミは嘘をつく」などのナヴォット・パプシャド監督によるアクション映画。主演をカレン・ギランが務め、レナ・ヘディ、アンジェラ・バセット、ポール・ジアマッティ、ミシェル・ヨーらが出演している。

ストーリー:サムは暗殺者として暗躍し、「ザ・ファーム」という会社のために働いていた。彼女の母スカーレットも暗殺者であったが、サムが12歳の時に行方不明になってしまう。スカーレットとともに仕事をしていたネーサンのもとでサムは働いていたが、ある日、殺害対象の娘エミリーが誘拐されていることを知る。殺害対象を撃ってしまったサムはモグリの医者のもとに対象を預け、エミリーを救出しようとする。しかし、それはザ・ファームにとって歓迎できない行動だった。

 

面白かったです。

物語はかなり雑で、そもそもサムがエミリーをなんで助けにいくのよ、って感じなんですが、その辺が気にならなければ最高です。

とにかく映像がかっこよかったですね。特に象徴的なのが「ダイナー」と「図書館」。

ダイナーはザ・ファームの面々が訪れ、サムやスカーレットが依頼を受けるレストランです。ここは銃の持ち込み禁止とされていて、中立地帯となっていますが、この造詣がめちゃくちゃかっこいいんですよね。オールド・アメリカって感じのクラシカルなレストランなんですが、ウェイトレスの制服の色使いとか窓から入ってくる光の感じとかがすべて計算されていて、非常に美しく描かれています。「古き良きダイナー」という概念を具現化したような感じ。もうこの時点でテンションがすごく上がります。

図書館は秘密裏に武器の受け渡しが行われる場所で、本の中に隠して銃などの武器が入っています。これも印象的で武器が劇的な登場の仕方をするのが気持ちいいです。また、森や海の部屋(正式名称は知らん!)もあって、図書館の中なのに雰囲気が変わるのがよかったですね。

キャラも非常に立っていて、サムに対してザ・ファームから派遣される3バカ(信じられないことに作中でそう呼ばれているんですよ)も登場がめちゃくちゃかっこいいのに、呼称にふさわしくバカだし良かったです。敵も味方もどこか抜けていて、でもその抜け方が愛嬌になっていました

サムも図書館の司書たちもめちゃくちゃかっこいいし、魅力的でした。地味にネーサン役のポール・ジアマッティが良い味を出していて、どこか憎めないキャラクターになっていて良かったです。

一方でボウリング場での最初のアクションはちょっともっさりした印象もありましたし、そもそも物語の進め方がちょっと強引なので、その辺に引っかかっちゃう人は厳しいかもしれません。なんか銃を使ったり使わなかったりが物語の都合にしか見えないような展開もするし。

でもそんなの関係ない!って思える人にとっては最高ですね。

僕も一歩間違えたら気になったかもしれないんですが、ポスターとかがかっこよすぎたせいで、逆にあんまり期待しすぎないようにしようと思っていたのがよかったです。

銃持ってるのになぜか肉弾戦になるのは本当にアクションの都合って感じですけど、おかげで多様なアクションが観られる感じになっていたし、そのあたりは全然気になりませんでした。

ただ、脚本の完成度が高いわけではないし、ストーリー展開でうならせるような作品ではないので、映像とアクションかっこよければそれでOK!って思える人向けだと思います。

そんなこんなで個人的にはかなりハマった作品でした。続きとか観てみたい。

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