気が狂っていた。全てが頭おかしくて全てが最高

 

「リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」は1999年に始まった人気漫画「テニスの王子様」初の3Dアニメ映画。「魔人探偵脳噛ネウロ」などの神志那弘志監督がメガホンを取り、「アンフェア」などの原作者である秦建日子さんが脚本を担当している。製作総指揮、劇中歌全作詞作曲を原作者である許斐剛先生が行っている。皆川純子さん、松山鷹志さんらが出演している。

ストーリー:アメリカに来た越前リョーマはギャングに絡まれている竜崎桜乃を助けるためストリートテニスで勝負をする。ラップを織り交ぜた多彩な攻撃を仕掛けてくる相手に対してリョーマが放ったテニスボールが時空の歪みを発生させた。次の瞬間、リョーマと桜乃がいたのは過去、リョーマの父である南次郎が引退する前の世界だった。

 

ただただ頭がおかしかったです。でも、それが最高でした。あ、ちなみに僕が観たのはDecide編です。

まずストーリー紹介の時点で意味不明だと思うんですが、本当にこんな感じなんですよね。すごく真面目に意味不明なことをやっているし、なんか全て力技で物語を展開していくんですが、それが受け入れられてしまうという恐ろしさ。全く納得できない展開のはずなのに、何故か受け入れてしまうんです。すごいですよね。

大体、いきなり何の説明もなく乾先輩が包帯グルグル巻きで出てきて、しかもそれがほぼモブ扱いって時点でヤバすぎです。ほぼ背景なのに、気になって仕方ないですもん。普通なら「ちょっと背景がうるさいから乾は出さない」って感じになりそうなのに。

過去のはずなのに薄型テレビなのもヤバいですね。過去っていつなの?テニプリって未来が舞台の設定なの?って思います。でも携帯電話は大きいんです。すごくない?時代考証とか全てどうでもいい感じなんですよ。車の速度メーターとかはデジタル表示だし。これ見落としてたとしたらすごすぎるミスだし、あえてやっているとしたら本当に意味わからないし頭おかしいですね。ツッコミ待ちってこと……?

あと、電話で手塚先輩と話すシーンがあるんですが、そこで「ただ一つ信じてください 俺は今アメリカにいるかもしれないし いないかもしれない」ってめちゃくちゃかっこ良く歌い上げるんですけど、歌詞意味わからなすぎてやばかったです。

それから桜乃の肩が突然めちゃくちゃでかくなるところも笑っちゃいますね。パフスリーブだから大きく見えるんだろうけど、顔くらいあるシーンもあって不意に出てくるとびっくりしますね。

でもま、そんなの全てどうでもいいんですよ。物語もよくわからないし、展開についていけないんだけど、最後は謎の感動があって、妙にテンションが上がるんですよね。ああ、いいもの観たな。って。よくわからないけど元気になるんですよ。テニプリはずっとテニプリだな、突き抜けてくれているな。って。ロケットでつきぬけろより突き抜けてくれて最高ですね。

そしてエンドロールが終わり、次回への布石みたいなシーンすら終わった後、謎のコンサートが始まります。これが本当にしんどい。全てを無に帰すくらいしんどい。まずテニプリの各キャラクターの歌がメドレーみたいに流れていくんですが、長い。すごい長い。しかも映像は漫画のコマを切りはりした紙芝居的なもの。もう虚無ですわ。好きな人は嬉しいのかもしれないけど、それでもしんどくない?せめて画面内でキャラクターが動いて欲しい。とにかく長いんですよね。エンドロールも終わってるから、なんか本当に蛇足って感じ。謎の感動によってテンションがぶち上がっていたところ、この仕打ちで一気に現実に戻してくれます。多分、現実に戻るまでのクールダウンなんでしょう。激しい運動の後はクールダウン大事だからね。

そんなわけで最後はしんどかったんですが、めちゃくちゃ面白かったです。面白いみたいなこと全然言ってないけど、言葉では何を書いても奇文になってしまうのがテニスの王子様。この文章の意味を知りたかったらとにかく観るしかないという感じですね。

謎にまだやっているらしいので、お時間があるならぜひ。ただ、こういうの苦手な人はただただ苦痛だと思います。

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