トラックがすごいけど、序盤は「誰だお前」の連続

 

「恐怖の報酬 オリジナル完全版」は1977年に公開されたアメリカ映画。1953年の同名フランス映画のリメイクである。監督は「エクソシスト」などのウィリアム・フードキン。主演は「フレンチ・コネクション」などのロイ・シャイダー。「メグレ警視」のブリュノ・クレメールが出演している。本作はアメリカ国外では30分カットされたものが上映されており、国内でも「スター・ウォーズ」の大ヒットの前に興行的にも不振を極めた。ユニバーサルとパラマウントという巨大メジャースタジオの共同出資だったことで権利関係が不透明になり、北米以外では再上映やDVD化やビデオ化もできない一作となっていた。ようやく権利問題がクリアになり、2013年に4Kデジタルリマスター版が制作され、日本ではようやく公開に至った一作である。

ストーリー:南米のポルペニールには世界中から流れ者が集まり、油田で働いていた。しかし油田が爆発。消化には大爆発を起こす必要があった。倉庫にあったニトログリセリンは状態が悪く、少しの衝撃で爆発を起こしてしまうが、それをトラックで運ぶ以外方法がないという。石油会社は多額の報酬でドライバーを募集。そこで選ばれたのが北米のマフィアから追われるドミンゲス、パリで不正融資に関わって逃亡中のセラーノ、パレスチナのテロ犯カッセムら4人だった。
 

面白かったです。

スティーヴン・キングや、クエンティン・タランティーノが絶賛するのもわかる気がします。

とにかく絵が強い。
トラックがすごいんです。絶対ヘリより揺れてる(ヘリは無理って言われます)だろこれ、っていうツッコミが入るし、そもそもトラックに運び入れるのが雑な時点でヤバそうな一作ですが、面白いです。

まあ前提となる「火を消すには爆発だ!」がもうよくわかんないんですが、そんなことはどうでもいいんですよね。きっと。
爆発物を背後の荷台に積んだトラックが走るわけだから面白くないわけがありません。ずっとドキドキしっ放しだし、良い設定だなぁ、と思います。

そんなわけで☆4つでも良いような気もするし、後日、やっぱりまた観たいってなるのかもしれないけど、序盤がめちゃくちゃつまんないんですよね。
パレスチナのテロのシーンや、フランスの融資の話、アメリカでの強盗の話が語られていくんですが、さっぱり意味がわかんないんです。テンポも良くないし。

観ていけば彼らが逃げるきっかけの話をやっていたというのがわかるのですが、説明なしだし、パレスチナのテロのシーンの後にフランスとアメリカがあるせいでテロ犯の顔なんて忘れてるし、ってなわけで「誰だお前」が続きます。

本題のニトログリセリン運搬までの説明がもう冗長で不要に感じてしまうんです。そのくらい面白くないんですよね。これらの話が。

これは運搬から始まって過去語りで挿入しても良かったんじゃないのかなぁ。とか思いました。

一方で、運搬が始まってからは面白いです。90分に縮めたくなるのもわかるくらい、運搬メインでやって欲しいって感じの一作でした。
トラックがすごいし、彼らの演技も非常に良いので、後半は観ていて楽しい一作ですし、前半も好きな人はいるかもしれないので、気になっている人は観ると良いと思います。

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