前作を復習した方がより楽しめるけど、基本的に安定して面白い一作

 

「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」は2016年に公開された「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」の続編。「ハリー・ポッター」シリーズのスピンオフシリーズであり、全5作予定のうちの2作目。前作に引き続き、デヴィッド・イェーツ監督、J.K.ローリング脚本、エディ・レッドメイン主演で上映された。

ストーリー:魔法省によって囚われていた悪の魔法使いグリンデルバルドが、脱獄に成功した。彼は信奉者を集めており、魔法省はそれを危惧している。一方、『幻の動物とその生息地』の執筆者であるニュートはパリへの旅行のために渡航禁止命令を解除してもらおうと魔法省へ働きかけていた。しかし、条件として魔法省への入省を求められたため、ニュートはこれを拒否する。そんな中、彼はホグワーツの先生であるダンブルドアと再会。グリンデルバルドと戦うことを依頼される。
 

面白かったです。
まあファンタジー映画が好きだから色々ファンタジックなものが出てくるだけでも楽しいっていうのが大きい気もしますが。

アメリカでの興行成績はちょっと苦戦気味ですが、日本では前作を超えるスタートを切った今作。確かに目新しい要素はあまりない気がしますし、物足りないという方もいるかもしれません。でも、ファンタジー映画として一定の水準は保っているし、何よりハリー・ポッターの世界観にまたハマれるのが良いですね。前作でも書いたけども。

一方で気になるのが、魔法生物があまり出てこないところ。
まあいいんですが、せっかく魔法生物にフォーカスしたシリーズなんだから、そこがもうちょっと出てくれば、ハリー・ポッターシリーズとはまた違う魅力が出たのかな、とは思います。
多分、その辺にちょっと物足りなさを感じて興業的に伸び悩んでいる面があるのかな、と思います。

あと、人間関係がわかりにくいんですよ。1作目の内容を全部覚えている前提で話が進んじゃうから、ちょっと序盤ついていけません。
ここはJ.K.ローリングが脚本家ではないってところの弱さが出てしまっているような気がします。彼女の中では多分しっかりと物語ができていて、前作の内容と複雑に絡み合ったものがあるのだと思います。そしておそらく、5作通じて様々な伏線が張られているのだと。

ですが、2年前に観た映画のことなんて、割とみんな忘れてるんだと思うんですよ。大枠は覚えていても。で、今作を観るために前作を復習する人がどれだけいるか、って話なんですよね。そこをもっとわかって脚本を書いて欲しいという気持ちはありますね。これが改善されないと、5作できないままに打ち切られてしまう気がします。

ただ、目新しいものはないかもしれないし、思ったより前作のことが出てくるけど、それを気にせずに観ても面白い一作です。だからこそ、前作との絡みを少なくしてストレスを減らして欲しかったという気持ちが大きいですが。

後半の展開などはさすがJ.K.ローリング、って思う内容ですし、面白いです。日本の生物なんかも一応出てくるしね。やっぱり映画館で観るべき一作ですので、気になっている方はぜひ観に行って欲しいと思います。

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