特殊メイクとわかっていても楽しいスーパープレイ集

 

「アンクル・ドリュー」は「ドラムライン」などのチャールズ・ストーン三世が監督したストリートバスケットボールを描いた映画。NBAの現役選手カイリー・アービングが主演、元NBA選手であるシャキール・オニール、レジー・ミラー、クリス・ウェバー、ネイト・ロビンソンが共演している。アンクル・ドリューを探すコーチ役には「ゲット・アウト」などのリルレル・ハウリーが配役されている。

ストーリー:マイケル・ジョーダンに憧れたダックスは、ニューヨークのストリートバスケの聖地であるラッカーパークでの大会の優勝を目指すチームのコーチをしていた。彼のチームにはキャスパーという絶対的エースがいたため、ダックスはキャスパーに全てのボールを渡すように指示する。しかし数日後、ダックスの選手時代にトラウマを植えつけたムーキーにチームを乗っ取られてしまう。恋人もいなくなってしまったダックスは一人、途方にくれていた。そんなある時、ストリートバスケのコートで若者に圧勝するおじいさんと出会う。彼こそが、ラッカーパークで「サンドイッチを食べながらダンクを決めてチームを勝利に導く」という伝説を作ったアンクル・ドリューだった。

 

面白かったです。
いや、まあ割とありきたりな話というか、先が読めるっちゃ読めるんですけど、別にそういうのはどうでもいいかな、って感じでした。
なので、脚本自体をかなり意識する人にとっては物足りない面もあるかもしれません。

ただね、バスケのプレーを観ていたら、物語なんて何でもいいか、って思ちゃうんですよね。だってすごいんだもの。彼らのプレーを観るだけで、もう十分価値がある映画だと思います。
じゃあプレー集を観たら?って言われちゃいそうですが、そこが今作の面白いところで、おじいちゃんと化した彼らがすごいプレーをするから良いんですよね。特殊メイクで明らかに動けなそうな人たちがするする動いてゴールを決めていく。

メイクだってわかっていても視覚的に楽しい映像が満載です。NBAのトッププレイヤーのプレーなので魅せるプレーも魅力的ですし、演技も全然悪くなかったです。
まあそりゃ本職の役者さんがやったら違う魅力が出るとは思うけど、プレイヤーとしての経験が上手く活きるような役ばかりだったので、全然気になりませんでした。

難を言えば、ちょっとダックスに与えられているテーマが雑に回収されたかな、ってところですね。アンクル・ドリューを含めた老人たちにスポットを当てている分、ダックスの物語を回収するのに時間がなかったというのが実情でしょうが、ちょっと雑でした。ダックスのキャラクターもあまり好感が持てる感じじゃないし、すごい金儲けのためだけにやっている印象になっちゃって、あんまり良くなかったですね。ちょっと半端な描かれ方でした。
ダックスの恋人も微妙だったし。

だけどまあ物語に期待するような映画ではないので、その辺はいいのかな、って思います。前述の通り、そういう意味で脚本を重視する人は合わないかもしれません。

最初にドキュメンタリー風に始まるのも個人的には好きでした。おそらくあそこでコメントしている人たちがバスケ界のスターばかりなんだろうな、って思うのですが、全然詳しくないのでさっぱりわからなかったです。でも別にわからなくても言ってることが面白いからいいと思いますが。

そんなこんなで老人の華麗なプレーが観られる稀有な映像体験ができる一作です。脚本も良くない風に書いちゃいましたが、全然及第点ではあると思いますので、つまらないと思うことはないと思います。
デートとかで行っても楽しめそうですし、オススメの一作です。

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