弱者について色々考えさせられた一作

 

「イコライザー2」は2014年に公開された「イコライザー」の続編。前作に引き続きデンゼル・ワシントンが主演し、アントワーン・フークアが監督を務めた。「キングスマン:ゴールデン・サークル」などのペドロ・パスカルや「ザ・ファイター」などのメリッサ・レオが共演している。

 

ストーリー:元CIAのエージェント、ロバート・マッコールはタクシー運転手をしながら生きていた。旧友のスーザンは今も現役のCIAエージェント。彼女はベルギーでCIAの協力者が殺された事件の捜査を担当していたが、何者かに襲われる。ロバートは彼女が襲われた事件を追っていくが、そこに待っていたのは意外な真相だった。

 

面白かったです。
やっぱりデンゼル・ワシントンが良いですね。どストレートに勧善懲悪をやってくれるこのシリーズは観ていてスカッとした気分になります。

ただ、まあ前作「イコライザー」の方が面白かったってのが正直な感想ですね。
何がいけないって、クロエ・グレース・モレッツが出てないことです。そこかよ、っていうツッコミが入りそうですが、(僕はクロエ・グレース・モレッツが好きです)個人的な好みを除いても彼女のようなポジションの役が欲しかったきらいがありますね。

今作、明確なヒロインがいないんですよね。必ずしもヒロインがいる必要はないのかもしれないですが、このイコライザーに関して言えば、いた方が良かったと思いました。
なぜなら、イコライザー(別に作中でそう名乗っているわけではないけれど)ことロバートは弱者の味方だからです。
今作でも前作のアリー(クロエ・グレース・モレッツの役)ポジションのキャラクターは登場します。それが、アシュトン・サンダース演じるマイルズ・ウィテカー。黒人の青年です。うん。いや、そうなんだよな。黒人の青年も厳しい状況に置かれた弱者なんですよね。っていうのはわかっているんです。が、ちょっと引っかかるというか、弱者のイメージではないんですよね。
そのイメージに一石を投じるという意味では意義があるとは思いますし、そう思えない僕はちょっと古いんだなぁ、と思いますが。

ただ、もう少しマイルズが頑張ってほしい気もしたんですよね。割と「おい、それは」って感じで窮地に陥るんですよ。まあ、これはヒロインだったとしても多分「おい、それは」ってなった気はしますけど。

設定自体は魅力的だと思うし、アシュトン・サンダースが悪いわけではなかったと思うんですが、やっぱりアリーのように強い弱者であって欲しいっていうのはありますね。
ただ、「強い弱者」なんてのは自分で何とかできるわけで、本当に弱い弱者を描きたかったのかもしれないですよね。そうなると、そこは結構受け入れるの難しくて、そういう意味ではすごくいろいろなことを考えさせられる一作でした。

 

けど、映画的にはやっぱり弱い弱者を描くのであれば、もっと魅力的に描かなきゃダメだよな、って思います。そういう意味で、ヒロインがいた方が良かったのかな、って思っています。ヒロインっていうのはヒロインというポジションなだけで魅力的に描けますからね。

黒人の青年をヒロインというか庇護の対象とするのは良い発想だったのですが、そこにもう一歩工夫がないと、受け入れるのが難しい面がありました。子どもとかだとわかりやすいんだろうけどな。やっぱり。

 

今作はステレオタイプな勧善懲悪もので、どう相手を懲らしめるかってところを観たいという意味では、割とステレオタイプを求めちゃっているのかもしれないですね。

まあ単純にもう一度クロエ・グレース・モレッツ演じるアリーが観たかったってだけかもしれないですが。

よくわからんヒロイン論をここまで語ってしまいましたが、今作は面白いです。ラストのアクションの舞台もあまり観ることがないところでの展開だし、何よりやっぱりロバートがかっこいい。最近観たアクション映画の中でもかなり面白いものになっていると思いますし、興味のある方は観に行って損はない作品だと思います。

公式サイトはこちら