原作ファンが好きかは不明だが、新たな「ホーム・アローン」のような一作

 

「ピーターラビット」はビアトリクス・ポターによる児童文学シリーズの実写化作品。「ANNIE/アニー」のウィル・グラックがメガホンをとった。「イントゥ・ザ・ウッズ」などのジェームズ・コーデンがピーターの声を担当、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」などのドーナル・グリーソン、「インシディアス」などのローズ・バーンが出演している。

ストーリー:ウサギのピーターはいとこのベンジャミンと三つ子の妹と暮らしていた。彼らは毎日のようにジョー・マクレガーの家の庭から野菜を奪っていた。そんなある日、ジョーが突然死する。大喜びのピーターたちだったが、百貨店ハロッズの玩具部門で働くジョーの甥、トーマスが移り住んでくる。ピーターたちのことをよく思ってくれる画家のピアがトーマスと仲良くなっていくことが面白くないピーターは、トーマスを追い出そうとするが……。

 

面白かったです。

いやぁ、ぶっちゃけあんまり期待していなかったんですよね。そんな面白いのかな、って思っていましたし。
ところが、観たらもう、面白かったです。

序盤はね、うん。あんまり面白くなかったんですよ。というか、ギャグが滑っている(合わない)印象があったし、割とピーターたちのいたずらがえげつなくて、引いちゃうし。

ネット上でも評価が分かれているのは多分ここなんですよね。可愛さとか、そういうのを求めて行くとびっくりします。まあ原作だって「お父さんはパイになっちゃったから」みたいなのがさらっと出てくるし、思ったより可愛いだけの物語じゃないんだけど。

なので、そういうの期待して行かなければ、面白いです。っていうか、もうあの淡い色彩のキャラクター、ピーターラビットの話じゃないって思って行ってもいいんじゃないかな。

そういう感じで行けば、本当にコメディー映画として楽しめます。そして、ちょっとした感動というか、考えさせられる内容もあるし、映画として観て良かった作品になるんじゃないかと思います。

しかも、観終わった後に思うこととしては、これはこれで可愛い。ってことですね。今作は各キャラクターが人間も含めて魅力的なんです。最初は合わなかった面もありましたが、どんどんギャグも面白くなっていって、この世界にもっといたいなぁ、って気持ちになるくらい物語に入り込んでしまいました。

まあそこまで楽しい!って思える人がどのくらいいるのかわかりませんが、個人的にはすごく楽しかったです。また、子どもたちにも観てもらいたいような作品にもなっています。いたずらがひどいから、最初は子ども向けじゃないかな、って思ったんですけど、後半扱われているテーマなんかは子どもも大人も心にくるような内容ですし。

途中、トーマスが出てきてからは「ホーム・アローン」みたいな展開になっていって、かなり楽しいですね。最後に考えさせられるテーマが出てくるところなんかも似ていると思います。
なので、「ホーム・アローン」が好きだったら、一緒に楽しめるんじゃないかな、って思います。少なくとも僕は楽しめました。

続編の公開も決まったみたいで、ちょっと嬉しいです。原作に思い入れがなければ、素直に楽しめる良い作品ですので、もし興味があるなら、ぜひ映画館で観て欲しいと思います。

公式サイトはこちら