久しぶりにスピルバーグらしいエンタメを観た

 

「レディ・プレイヤー1」はアーネスト・クラインの小説「ゲームウォーズ」(原題は映画と同じく「Ready Player One」)を原作とした実写映画。アーネスト・クラインは脚本でも参加している。監督は「ジュラシック・パーク」「インディ・ジョーンズ」などのスティーブン・スピルバーグ。主演は「X-MEN:アポカリプス」などのタイ・シェリダン。ドラマ「ベイツ・モーテル」などのオリヴィア・クック、「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」などのベン・メンデルソーンに加え、「シェリー」などの森崎ウィンが出演している。サブカルチャーが多く詰め込まれた一作となっており、「アイアン・ジャイアント」「機動戦士ガンダム」「バットマン」「ハローキティ」など多くのキャラクターが登場する。

ストーリー:世界中が荒廃している2045年。人々は辛い現実世界から目を背け、仮想現実世界「オアシス」の中に入り浸っていた。スラム街に住む少年ウェイどもその一人。彼はオアシスの創設者、ジェームズ・ハリデーが死後に残したメッセージで言及された「ゲーム内に隠されたエッグに到達するための3つの鍵」探しに没頭していた。しかし、ハリデーの死後5年が経っても誰もそのエッグが見つけられていなかった。ある日、彼は1つ目の鍵を手に入れるためのヒントに気づく。

 

面白かったです。
80年代から90年代あたりの洋画が人気だった時代に戻ったみたいな感覚を覚えました。まさにあの頃の王道を現代に作り直した感じで、でもそれが全然古くなく、とても心地よく感じたんですよね。良かったです。非常に楽しかったです。

サブカルチャー的なものがたくさん出て来る!っていうので観るのも楽しいと思います。ただ、もうウォーリーをさがせ!状態なので、そればっかりに集中しちゃうと、映画本編についていくのはちょっときついかもしれないですね。
ほどほどにして観ていくのがいいと思いました。でも、そういう楽しみ方もできるし、何と言っても日本人にとってはかなり馴染みがあるものがちょくちょく登場するので、結構嬉しい気持ちになります。いきなりキティちゃんとか出て来るし。

一方で、ちょっと中盤がダレるというか、長く感じてしまう欠点もなくはないです。まあもともと140分という長尺(最近はこのくらいの長さのものが増えているけど)なので、そういうダレる展開になってしまうこともあるとは思うのですが、現実世界の展開と仮想空間での展開とどちらも微妙な時間があり、それが若干重なってしまっているのも問題ですね。

あと、敵側の登場人物が上手く描ききれていないというか、メインの敵キャラとなるソレント以外は、こいつは結局なんなんだよ、ってキャラクターになっちゃっていて、疑問が出て来るのも問題だと思いました。

まあでもそんなのは細かいことだよ、って思うくらい、後半は面白いですし、何しろサブカルチャーがたくさん出て来るから気にならないですね。

それから、結構ちゃんと仮想現実を描いていて、ステレオタイプなイメージみたいなので軽く書いていないと感じたところもよかったです。有名な監督が撮るとなったら、何かさして調べずにイメージだけで作ってしまうような印象があったんですが、今作はしっかりリサーチがなされていたと思いますし、描き方に好感が持てました

で、ちゃんと描いているのに、洋画の基本というか、ストーリーの流れが王道に則っているので、安心して観られます。スピルバーグっぽい作品だなぁ、って(すげえ偉そうだけど)思いましたし、これはどんな題材でもちゃんと面白くできる手法なのだなぁ、と感心してしまいました。やっぱりヒット作を出し続けてきただけのことはありますね。題材に敬意を持って接していることも、その題材でどう楽しませるかを真剣に考えていることも、伝わってきました。ここのところ微妙な作品も多かったスピルバーグですが(まあ多作なので元から微妙な作品も多いですが)まだまだ第一線でやり続けられる監督だと思いました。

情報が多いので多少疲れますが、ぜひ映画館で観て欲しい一作です。

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