映像の美しさと、ファンタジックな雰囲気が好きな人にはおすすめ

 

「グレイテスト・ショーマン」は19世紀に人気を博した興行師P・T・バーナムをモデルとしたミュージカル映画。「ラ・ラ・ランド」でアカデミー歌曲賞を受賞したベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが音楽を手がけており、「レ・ミゼラブル」などのヒュー・ジャックマンが主演している。共演は「ハイスクール・ミュージカル」などのザック・エフロン、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」などのミシェル・ウィリアムズが共演している。監督は今作がデビュー作となるマイケル・グレイシー。

ストーリー:仕立て屋の息子、バーナムは、父の仕事先の令嬢、チャリティに恋をしていた。彼らはチャリティの両親の反対を押し切り結婚。二人の娘を授かった。家族は幸せに溢れていたが、バーナムの職場が倒産。彼は一念発起し、アメリカ博物館という蝋人形館を経営し始める。しかし、客は不入り。そこで娘たちのアドバイスから、生きているもの、すなわち、人とは少し違った特徴を持つ人たちを集めてショーをすることを思いつく。彼のもとには各地から珍しい外見をした人々が集まり、彼のショーは大衆から人気が出た。演劇界の寵児、フィリップ・カーライルを引き入れた彼は、さらに興行を拡大していくが……。
 

面白かったです。
ただ、人によって評価もちょっと違う気がします。物語自体はそこまで凝っていないので、物語重視で映画を観る人はちょっと物足りないかもしれません。
個人的に好きでした。何だろう。僕にとってはすごく刺さったんですよね。実写版「魔女の宅急便」もそうだったけど、妙にヒットしたところがありました。

何が良かったかというと、やっぱり映像ですね。最初、バーナムがチャリティと結婚するまでの流れなんかもう最高だし、「カールじいさんと空飛ぶ家」の冒頭くらいのワクワクがありました。また、屋上でチャリティとバーナムが踊るシーンもファンタジックで夢に溢れていて、楽しかったです。

一方で、前半部分の歌にはあまり力がないように感じてしまいました。多分、字幕の情報量が多くて、読むのに気を取られてしまったことも原因の一つだとは思いますが、なんだかパワーをあまり感じず。ミュージカル映画としては物足りなさを感じていました。

ところが、ザック・エフロンとヒュー・ジャックマンによる「ジ・アザー・サイド」ではバーを舞台にしたダンスが非常に凝っていて、目を引きましたし、その次の「ネバー・イナフ」は歌そのものの力を感じました。この辺りから歌が単なる状況説明ではなく、歌うことそのものに意味が出てきたからというのもある気がします。

とにかく今作はダンスの振り付けが秀逸。映像も非常に凝っていて、それだけで本当に楽しい気持ちになります。ああ、なるほど、こういう映像の演出があるのね、と思いましたし、映像ならではの強みを生かしたものも多く、サーカスという設定も上手く生かして映像を構築していて、観ていて飽きることなく、楽しめました。

ただ、批評家の評判が割れているっていうのもちょっとわかるんですよね。物語としてはかなり平凡だと思うし、まあ「ラ・ラ・ランド」なんかと比べちゃうとどうしても力が弱い感じがしますし。

テーマ的なものが描ききれていたか、と言うとそれも微妙で、ただ単に楽しい映画、ってレベルにとどまっている感も無きにしも非ずです。

でも、それはそれでいい気がするんですよね。気軽に楽しい映画として映画館で観るのには非常に良いですし、デートなんかでもいい映画でした。物語も不快にならないし、そういう映画が高く評価されてもいいのかな、とか思ったり。

まあ単純に僕が個人的に映像とかそういうのが気に入ったって感じです。センスがよかったです。なので、かなり好みによる高評価の面があるので、その辺を差し引いて観てもらえるといいかもしれません。

あと、個人的には久しぶりにザック・エフロンが思いっきり歌っているところが観られて嬉しかったかな。

 

そんなわけで、過度な期待は禁物かもしれないですが、映像とか面白いし、観て損する映画ではないので、おすすめです。

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