なんだかさっぱりわからないけど、悪くない一作

 

「ゆれる人魚」はアグニェシュカ・スモチンスカ監督のホラー・ミュージカル映画。「人魚姫」をアレンジした作品で、ポーランドで2015年に公開された。

ストーリー:1980年代のポーランド。ゴールデンとシルバーという人魚が、あるストリップクラブにやってくる。彼女たちは人間に化け、バックシンガーとして働き始めるが、シルバーは人間の男性に恋をし、ゴールデンは人間を捕食し始める。

 

面白かったです。

が、ぶっちゃけ意味不明でした。物語が全然わかんなかったです。
いや、わからなくはないんだけど、途中で歌が入ってくるし、それがあんまり内容とリンクしないし、場面がどんどん飛んでいくし、人間関係とかも場面が飛んだことによって勝手にリセットされているように感じるし、あんまり論理的ではない作品でした。

人魚の設定も、よくわかんなかったんですよね。とりあえずゴールデンとシルバーが可愛いんだけど、すごく自然にみんなが受け入れているし、その割には人魚による殺人なんかは起きていない世界っぽいし、ちょっと謎でした。

まあもうぶっちゃけ音楽のプロモーション・ビデオみたいな展開なんですよね。綺麗な映像と思わせぶりな内容で、だけど歌詞に応じて場面とかは飛ぶし、展開も多少雑でもOKみたいな。だから、かっこいいし、可愛いんだけど、さっぱり内容が頭に入ってこなかったです。

だから、なんだかそんなに語れることもないんですが、不快ではなかったんです。
この辺の感覚とかって、結構自分でも上手く説明できないところなんですよね。このブログを読んでいただければわかるように、割と僕はストーリー重視なんだと思うんです。まあ最近は映像表現的に面白いと思えば、楽しめるようになってきたのですが、それでも物語がよくわからない作品ってそんなに好きじゃない傾向にあります。

でも、今作みたいに、物語がわからない作品でも嫌じゃないものもあるんですよね。それって何なんだろう、とは思います。まあもしかしたら可愛い女の子が出てくるかどうか、ってとこなのかもしれないですけど。「ネオン・デーモン」とかも嫌いではなかったし。

まあ妙に人魚が魅力的だったというのはあると思います。よくわかんないのに、部分部分では共感できるところもありましたし。

そんなこんなで、物語的にはさっぱりわからない一作だったんですが、観て損したという気持ちにはならなかった作品でした。「何だったのか」とは思ったけども。

あと、ホラーではないと思います。ちょっとグロいので、「ああああ」ってなりますけど。そんなわけで、グロいシーンが苦手な人はやめた方がいいかもしれません。

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