今回はマネタリベースと国債について私なりの感想を記したいと思います。

 

■マネタリーベースとは

日銀ホームページ 教えて!にちぎんにマネタリーベースの説明が掲載されています。

マネタリーベースとは、「日本銀行が世の中に直接的に供給するお金」のことです。具体的には、市中に出回っているお金である流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と日本銀行当座預金(日銀当座預金)の合計値です。

 

■日銀のバランスシート

総務省統計局 日本統計年鑑 令和2年 マネタリーベースと日本銀行の取引

 (平成29年、30年)公開資料を基にバランスシートを作成すると下図になります。

 

・平成29年末(2017年)は資産、負債とも4,799,976億円、

 平成30年末(2018年)は資産、負債とも5,042,166億円です。

・日銀の資産のほとんどは長期国債です。日本国政府にとっては負債になります。

・日銀の負債は、日銀券(壱万円札など)発行残高と貨幣(100円硬貨など)流通高の他に、

 日銀当座預金になります。日銀券や貨幣は私たちにとっては資産になります。

・日銀当座預金は普通の(市中)銀行が日銀に預けている預金です。

・日銀当座預金は日銀では負債ですが、普通の銀行にとっては資産になります。

・金融機関の中でも日銀は特殊で、日銀と普通の銀行との間で資産と負債の反転が起きて

 いると考えられます。

・平成29年と平成30年だけ比べてみても、資産サイドでは長期国債が大きく増え、

 負債サイドでは日銀当座預金が大きく増えています。

日銀が国債を引き受けてマネタリーベースを増やしていると考えられます。

 

■債務管理リポート2019 -国の債務管理と公的債務の現状- 

https://www.mof.go.jp/jgbs/publication/debt_management_report/2019/saimu2019-3-ho.pdf

・国債および国庫短期証券の残高推移のグラフになります。(グラフ出典:財務省HP)

・平成24年度末あたりから日銀が国債をより多く買い入れていることが分かります。

・平成30年12月末では国債の43.0%も日銀が保有しています。

・面白いことに、それに呼応するかのように銀行等は急速に国債保有比率を低下させて

 います。平成30年12月末時点では16.7%まで低下してます。

・他、海外が徐々に増えており、一般政府と公的年金は徐々にウエイトを下げています。

 

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この一連の流れはどう考えたら良いでしょうか。

金融の専門知識がない私ですが、自分の投資行動と照らし合わせてみることは出来そうです。

 

ここ数年の私の投資行動として、預金の保有比率は生活に支障のない範囲で極力小さくしています。また、個人向け国債や国債に関連した金融商品も買わないようにしています。

他方、収益不動産、GOLDなど非金融資産(実物資産)に資産を集めてきました。

金融資産では、実物資産に比較的近い(外国)株式に資金を集中させているところです。

その理由は、将来日本で大きなインフレが発生した場合、私自身が大ダメージを受け立ち直れなくなる危険性があると考えた為です。もっと言うならば、日本円や日本国債に関し、これまでの様に未来永劫に渡り、信頼し続けることが難しくなってきていと感じている為です。

何か確たるデータの裏付けというより、感覚でそのように判断し、行動しています。

 

私と同じ様な考えかは分かりませんが、銀行等や公的年金は、国債の保有比率を小さくしたい或いは、無くしたいのではと感じます。そのことは実績からほぼ間違いないと思います。

国債の増加分以上に、銀行等はこれまで持っていた国債分も日銀に売っていることがグラフから読み取れます。

少し下世話な表現で恐縮ですが、”自分が要らないものは他に売ってしまえ”と考えられます。逆に、”自分が本当に価値があると考えるものは、売らずに自分で持っておく”と考えるのが心情であり、自然なことではないでしょうか。

日銀はしかたなく、国債を引き受けている様に見受けられます。

 

(※個人の解釈と感想になしますので何卒ご容赦下さい)