米国と欧州で、破綻する銀行が現れています。

「いよいよ、始まった」と思います。

何が? 世界的な金融大崩壊が。

 

2023年3月10日、アメリカのシリコンバレーバンク(預金量全米16位の中堅銀行)が破産しました。3月12日、シグネチャー銀行(同26位)が破産。全米各地で「この銀行に預金を預けていて大丈夫か」という不安が拡がり、このままではたくさんの銀行が破綻しそうでした。アメリカ政府は、すべての預金の保護を打ち出しました。

米国だけではすまない。3月14日には、スイスのクレディスイス(投資銀行 日本の証券会社に近い)に信用不安が起こり、政府が救済に入っています。

 

まだまだ、これだけでは、済まないでしょう。全世界的な構造問題があります。2008年のリーマンショック、2020年のコロナ不況のために、各国政府は赤字国債をたくさん発行してお金を使い、各国中央銀行は金利を引き下げ、企業倒産を防いできました。そのため、株式も、土地も、債券も、バブル価格になっている。そして、金融機関に不良債権がたくさんあるのが隠蔽されています。おまけにCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という金融派生商品が、大誘爆を引き起こす可能性をもっている。CDSはその債券が不履行になったときの保険だが、もし大量に不履行が発生すれば、保険の引き受け手の銀行が払いきれなくなる。その銀行の倒産です。

 

私は日本の片隅の年金生活者です。面白いことや意義のあることをしたい、ということだけで生きています。日本の学校教育はあまりに子どものことを忘れていると思うので、ホームスクールやフリースクールを提唱しています。経済にも関心があって、減価マネーを使ったベーシック・インカムを提唱しています。経済にいちおうの知識がありますので、金利がどうなった、GDPがどうなったというようなことを、サッカーのワールドカップを見るように興奮しながら見ています。

 

いま、経済がスポーツ観戦より面白いです。手に汗を握っています。

 

現在の経済状況はと言うと、ウクライナ戦争をきっかけにして原油高が起こり、世界的な物価上昇につながりました。これを抑えるために、アメリカも欧州も金利を引き上げました。2022年から始まったアメリカの政策金利引き上げは、0%から4.75%と大幅です。政府・中央銀行は「物価上昇には金利引き上げ」という定式を実行したのです。

 

この金利引き上げは、物価に対しては効果があることでしょう。しかし、これは危ない。

どう危ないのか。

ひとことで言うと、現在の世界の金融システムは、「金利が上がったら、ハイそれまでよ」なのです。ほとんどの銀行が、中央銀行まで含めて、倒産してしまう。

 

なぜ、金利の上昇が銀行の倒産なのか?金利が上がれば、銀行はもうけが増えるはずではないか、とお思いのことでしょう。

しかし、金利の上昇は、債券価格の下落とまったくイコールなのです。金利上昇による収入増加はだいぶ先のことですが、債券価格の下落は、いま血流が停止して死んでしまうということです。銀行は、たくさんの債券を持って運用しています。その債券の価格が下落すれば、銀行はその分だけ赤字になります。債券の評価損が自己資本を上回れば、レッドカードになります。つまり営業停止、倒産。(国債は事情は複雑だけれど、やはり危ない)

 

実際には、この通りストレートに物事が進むということはありません。なにしろ、生き死にがかかっていますので、銀行も、中央銀行も、政府も、必死にあがくでしょう。どういう策が出てくるかは、見ものです。手に汗を握るようなドラマが繰り広げられるでしょう。

 

しかし、最悪の事態になっても、日本の経済が破綻するのは、米国、欧州、中国よりだいぶ遅れると見ています。日本の片隅の年金生活者は、まだまだ、面白い面白いと見ていることができます。最悪の事態になっても、戦争さえ引き起こさなければ、みんなのお金がなくなってしまうだけのことです。私にだって、「老人食堂」くらいできるでしょう。電気も道路も工場も、手つかずで残っています。新しい経済を作り直すことは難しくありません。そのときは、私が提唱している「生活本位経済」にするといいですよ。

 

くれぐれも、戦争だけは、起こさないでくださいね。