いやあ、コロナウイルスでたいへんな状況ですね。飲食店の経営者はお客が半分以下だという。緊急事態宣言後は、もっと減るでしょう。ベビーシッターの人は、仕事がなくなりそうと言う。数ヶ月後には、深刻な経済危機がやって来そうです。銀行に膨大な貸し倒れが発生するので、その穴を政府や中央銀行で埋めきれるかどうか。
これまでのように奪い合いと脅し合いの経済を続けていれば、多くの人がどん底の生活になります。1930年代の世界大恐慌の時には、世界の国々が奪い合いを始めたために、世界大戦になりました。
なんとしても生活する人たちを守らなければなりません。生活する人たちに、なんとかお金が渡るようにしなければいけない。従来の景気対策とは違い、政府の緊急経済対策も、生活者支援が中心になっています。そのことは、評価できます。
しかし、これには財源問題がつきまといます。当面、国債の発行で乗り切ることはできると思います。しかし、その後の経済運営はたいへんなものになるでしょう。金利が上がると利払いで政府が破綻しますし、既発国債が値崩れして金融機関や年金、生命保険が破綻します。さりとてゼロ金利のままでは銀行が次々と立ち枯れていきます。
根本的な解決として、生活する人たちのためのお金を創り出して、それを循環させるという方法があります。減価マネーを創り出して、生活する人たちに支給するのです。減価マネーなら、自然に減りますので、発行量と減価量が釣り合うところが存在します。生活者にお金を支給し続けても、お金がいくらでも増えるということはありません。
生活する人たちがいることが、経済のもっとも大事な基盤です。そこに着目すれば、この危機を乗り越え、さらには、奪い合いのない経済システムを創り出すことができるでしょう。
この本に、ベーシック・インカムの意義と、「生活本位経済」の詳しい解説があります。