ベーシック・インカムは、財源がなければ絵に描いた餅です。財源をどうするかは難しいです。
ところが、 「ベーシック・インカムのある暮らし」で古山が示した、電子式減価マネー(E\)による財源案は、新しい財源を必要としません。
つまり、増税なしでできます。
そう言うと、「ただお金を作って出すだけでしょう。インフレになる」と思われるかもしれない。でも、そうではありません。
仕組みを説明します。
いまのお金は、銀行が貸し出しをするときに作られている、ということはご存じでしょうか? これと同じ仕組みをe\は使います。
いま銀行が、企業にお金を貸すときに、実は相手企業の口座に、数字を書き足しているだけなのです。このとき、お金が作られているのです。
こうして作られたお金が、世の中を回り回って、私たちの生活費になっています。
えーっ、そんなバカな。銀行は、みんなから預金を集めてそのお金を貸しているはずだ、とお思いでしょう。でもそれは、神話です。
まったくのウソでできた神話でもありません。じつは、預金を集めるほどにたくさんお金を貸すことができるという仕組みがありますので、銀行は預金を集めたがります。しかし、銀行は集めた預金以上に貸し出すことができるのです。
(銀行の「信用創造」と呼ばれています)
もちろんこの貸出しは、返済されることを当てにしているからできることです。企業などの将来の返済の見込みを、銀行が現在のお金に置き換えているということなのです。
でも、これだと生産している企業にしか貸出はできません。消費者に貸しても消費するだけですから、返せるはずがありません。
そこを工夫して、消費者に貸し出しても、ちゃんと返済が行われるようにしたのがE\です。E\は、自分が持っている間だけは定率で返済するけども、買い物をして他人に渡してしまえば、もうその他人が返済すればいいのです。
預金口座のままで決済し、口座にある限り定率で自動返済が行われます。
けっきょく、自然に減価するお金をもらって使っているのと同じになります。
このE\を使えば、ベーシック・インカムに財源は必要ありません。(実は初期費用が兆円単位でかかる見込みですが、その後、数十兆円単位で毎年発行できます)
ベーシック・インカムは、電子式減価マネーE\を使えば、増税なし、社会保障切り捨てなしで、実現できるのです。