を扱っている弁護士先生とお話しする機会がありました。法律事務所への転職活動をしていた時、面接でお会いしました。非常に誠実な方で、弁護士として、また人としても尊敬に値する方ですので、こちらにしるしておきたいと思います。


転職活動時、私は会社員でしたので、仕事が終わってちょっと時間がある午前2時~6時くらいに会社帰りに漫画喫茶(すっごくキレイなところですよ!)に行ってネットで情報検索→応募書類作成を週1くらいで行っておりました。そのようなふざけた態度でのぞんでおりましたので、いろいろと下調べ不足なことが初期段階ではありました。


この先生の事務所にお邪魔した時も、いろいろと不備があったと思います。面接にお邪魔したのですが、いきなり、法律のテストがありました。契約書の間違い探しなど、素人が見るとかなりひるんでしまうものだったかのように思われます。私は法学部出身でもありませんし、仕事も一般の民事事件とは程遠いようなものでしたので、もう、なんでもありで最後まで回答してみました。〇つけは、先生自身がして下さいました。


先生:「●●点でした」

私の心の声:(え~!すごく優秀!どうやってこんな点が取れたんだろ?正誤もまったく把握していないのに。。。)


先生:「合格ですが、このようなものは、100点とって頂かなければ困ります。」

私の心の音:(ガラガラガラ、ガシャーン。。。)←自分のレベルの低さを自覚させられた音。


すごくクライアントに対して誠実な方だな、と思いました。法律の知識不足で、解決できる問題もできませんでした。。。なんてことでは困りますから。しかも、法律を知っているだけでなく、現実におこった事象をするどく考察しなければならないので、法律知識が万全であることは前提です。このようなことを面接でも示唆して下さる先生を私を、話して数秒で尊敬し始めました。ただし、誠実なだけあって、言葉にトゲと毒があり、自分なりの言語に変換して婉曲表現をすることも必要でしたが(←自分を慰めるため)。しかし、先生のお話を聞いたり、私が自己アピールをしたりして、かなり生産的な時間が過ごせた面接でした。建前ではなく、本音で話せば初対面の方とでも非常に生産的な時間が過ごせるものなのです。まず、相手のいいところを誉めよ、とか、相手の意見をけなしてはいけない、とか(←このようなことも非常に大事かと思います。相手がこれをのぞんでいる場合、出来なければ、その後につながりません。)、いろいろと周りくどいことを要求する方ではなく、率直なコミュニケーションが効率がよく非常に共感できる部分がありました。


先生:「医療過誤事件についてどう思う?医療ミスを犯した医者や病院はすぐに謝罪してお金を支払うべきだと思う?」

私:「思いません。」 先生:「なんで? 悪いことしたんだから、すぐに謝るべきだと思わないの?(←この時点でかなりご立腹されていた模様)」

私:「思いません。確かに、医療ミスは、悪いことかも知れません。でも、医者は1人の患者のために、医療行為を行っているわけではありませんから。医者は自分が食べていくため、家族を食べさせるために稼業として医療行為をしているわけであり、今後の医療技術発展など未来の社会のために医療行為を行っているのであり、帰属している病院の営利活動の一部として医療行為を行っているのであり、たくさんの患者さんの命を救うために医療行為を行っています。 多面的な利益のある医療行為の一部が失敗してしまったからといって、その他全ての利益を放棄する、ということは、すぐに要求できることではないと思います。 もちろん、医療ミスは悪いことですから、謝罪したり、お金を支払ったりすることも当然必要だと思います。しかし、それは、その他の利害と考えあわせてされるべきだと思います。」


先生:「どうしてそんなことが言えるの?医者や病院は社会的強者なんですよ?それがたった一人の患者の命を奪って、誤りもしないなんておかしいじゃない?弱い者いじめでしょ。」


私:「確かに、先生の表現されている部分では、弱いものいじめだと感じます。しかし、例えば、将来有望な医師が一回の医療ミスでマスコミに叩かれて、多大な損賠債務をおって、未来をなくす、というのが弱いものいじめではないのでしょうか。これは、医療過誤を起こした医者だけに対するいじめにとどまりません。その医者が、これから社会できる貢献をむしりとっているわけですから、社会に対する冒涜でもあると思います。」


先生:「あなたは、今、強いものの立場からものを言っています。あなたの周囲に医者はいても、医療過誤で苦しんでいる一般の方はいないでしょう。あなたは小さい頃からお勉強をされて、今もいいお給料をもらって仕事をされています。あなたには弱者を思う心が決定的に欠けています。」


私:「私は強いものではありませんが、他者理解の配慮に欠けている点は先生のおっしゃる通りです。でも、私の周りで東大医学部に入って(先生は東大法学部出身。医学部に入っている人も猛烈に勉強しなければいけないことをご存じです。)、医者のたまごで医療ミスをしてしまった、というような場合、その医者を単純に責められません。医者になる前にいろいろなものを犠牲にしているところを見ました。単純に言えば、青春がありませんでした(←これは私の価値観。勉強や研究が青春だという方もいらっしゃいます。私はオシャレなどの俗っぽいものや音楽やスポーツが好きななので、このようなものも青春の大部分を占めると考えていました)、過去には青春もなく、現在は医療行為に没頭しているような人の未来を奪うようなことを即決できません。」



その2へ続く・・・・・・