フクロウのいる家 -674ページ目
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 それにしても今日の出来事はかなり危険な部類に入るだろう。というのも暫くサスケのいる部屋と、別の部屋で本を眺めていたのだが、珈琲をカップに入れるついでに、サスケがいるはずの部屋を覗いてみた。


 いつもいるシマリスのケージの上や、セキセイインコの籠の上に眼をやるが、サスケの姿はそこには無い。廊下にいたのか、それとも玄関かと思っていると、その時自分の視界の境界部分に僅かに動きを感じた。


「げげげっ!」


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 サスケが和室の照明から垂れ下がったスイッチ用の紐に引っかかり、宙ぶらりんの状態になっていた。 慌てて飲みかけの珈琲カップを床に置き、サスケのもとに急いだ。


 見るとサスケの風切り羽の一枚だけが、それも外から3枚目7枚目10枚目の羽に照明の紐が絡んでいた。幸いなことに紐はクルンと一巻きだけ羽に絡まっており、簡単にサスケを解放することが出来た。


 いったいどの位の時間ぶら下がっていたのだろう。解放後そうとうに疲れていたのか、サスケは直ぐに眠りに入った。


 気が付くと片方の翼が、力なく垂れ下がっている。


「やばっ!」


 骨折でもしたかと一瞬思ったが、垂れ下がっているのは右の翼。確か紐と絡んでいたのは左だった。。はず。


 今日は最近にしては珍しく気温が30度を超えているので、今回のような事故がなくても、普通に暑がって翼を下げていても、おかしくは無い気温だ。脱出しようとかなり暴れたはずで、翼の下がり方がいつもより大きく見えるのも仕方のないことか。


 照明の紐に捕まるなんて、きっとサスケも“まさか”と思っていただろう。今回の場合羽が痛むだけじゃなく、最悪は骨折も有ったかもしれない。


 実際軽やかに飛ぶ姿を見るまでは不安に感じていたし、狩のシュミレーションをして遊んでいる姿を見てやっと安心することが出来た。


 殆ど家の中で放し飼いだから、眼を離していると何が起こるか解らない。とりあえず今回の対策は、照明の紐を巻き上げ、垂れ下がった部分を数センチ程度にした。

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