10 勝者の農夫のための鳥

コートジボワール セヌフォ 木に着彩

Bird sculpture for a champion cultivator Cote d’Ivoire, Senufo

 

本来は背中に小さな鳥を乗せた彫刻であるが、いつの頃からか小さな鳥は欠損している。セヌフォの人々にとって、鳥は高い所を飛ぶことから勝者の象徴である。これは「ポロ」結社のメンバーが、土地を耕す競争の儀礼をしたとき、勝者に与えられたものである。通常は抽象化された鳥の造形で、木地のままであるが、これはエナメルペイントが施され、目や嘴を描き加え、入念に作られた大きな鳥で、例を見ない優れた作品である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9 水牛のマスク

コートジボワール バウレ 木に着彩

Buffalo mask Cote d’Ivoire, Baule

 

バウレの人々の間では、古くからマスクを使ったエンターテイメントのダンスが踊られている。このダンスは、「ババ」、「アンボモン」や「アジェンブレ」と、さまざまな呼ばれ方をしている。このマスクは寸劇の中に現れ、バウレに仕留められたもっとも大きな動物である水牛を表現している。狩りのまねをする若い男性が、最終的にこれを殺し勝利を収めるという筋書きである。寸劇は、若者に狩りを教えるときや、若者が年長者を風刺するときにも使われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8 マスク「ザンブレ」

コートジボワール グロ 木に着彩

Mask “Zamble” Cote d’Ivoire, Guro

 

「ザンブレ」と呼ばれる、アンテロープを表現したマスクである。グロはヤウレと同じマンデ語系のグループに属し、同じようなマスクを作る。また、もともとマスクを作らなかったアカン系のバウレの人々も近隣民族ということで、グロやヤウレの影響を受けてマスクを作っている。これは、グロとしては、最もポピュラーなマスクの一例である。