ペタしてね

今回は、安西育郎著【からだのなかの放射能】(合同出版)の本からの


引用・紹介である。



 1963年は、当時の核保有大国として、アメリカ、ソビエト連邦


共和国、イギリスが、部分的核実験停止条約を結んだ年である。


そのために、1962年までに、かけこみ核実験を、上記の3大核


保有国は、地上の大気圏や水圏(ジドニ注・・・海の場所でという


意味である)で、多数なされて、大量の「死の灰」が(ジドニ注・・・


昔の専門書には、「フォールアウト」=放射性降下物=死の灰)と


いう表現が使われていた)、新たに環境中に放出されてしまった。


 それらは、めぐりめぐって全世界に降り注ぎ(ジドニ注・・・特に


北半球に位置する多くの国々が、それに該当する)、1963年以降


の急激な、体内汚染の上昇を招く結果となった。空気中を降下し、


雨や雪とともに落ちてきたりした放射性物質は、水や土壌を汚染


し、そこに生育している植物にも取り込まれた。そうした植物を食


物としている動物たちも汚染し、そのような動物の肉や乳を食した


人間にも、セシウム137をはじめとする核分裂生成物が、体内に


蓄積してきた・・・と。


 安西氏の、この本に掲載されている、日本人の体内セシウム量


のグラフを拝見すると、1963年から急上昇して、1965年が、


最高値で120ピコ・キュリーであり、それから急激に下がって、


1970年以降からは、約15ピコキュリーで、ほぼ安定している量が、


毎年、日本人の体内に取り込まれていることが、東京都内の東京


大学と茨城県東海村にある原子力研究所にある、全身の放射線量


を計測できるもので計測した結果である。


 また、この本にも説明されているが、フランスと中国は、上記の


核実験停止条約に調印をしていないので、その後も核実験を続け


ており、中国のロプノールで核実験が行われると、対流圏の「死の


灰」は、この日本国に、風に乗ってすぐに降下してくるが、成層圏


に舞い上がったモノは、北半球の国々に、毎年(今でも)、少しづつ


、放射能を降らせ続けている。ちなみに、中国は、1978年までに


25回、そのロプノールにて核実験を続けていったので、そのたび


に、日本国へは、放射性物質が降り注がれてきた。


 1978年12月14日、中国で第25回目の核爆発実験を行っが、


福島県原子力センターで測定した雨水を採取したら、コップ1杯の


雨水の中には(10000ピコ・キュリー)、つまり1分間で24000個の


原子が放射線を出して崩壊していることに相当する量であったと


いう。各県別の土壌の汚染度では、福島県が、1平方km当たり、


50ミリ・キュリー、(以下、mCiと略す。これは、1平方cm当たり、


1分間で平均10個の割合で、原子核崩壊が起こっている事に


相当する。)、他の県では、福井県が4ミリ・キュリー、島根県が


8mCi、新潟県は13mCi、石川県が34mCi。また、この本には、


降雨による月別のセシウム量と、それにともなっての、日本国


内で生産されたお米やミルクのセシウム含有濃度も、1961年


から1965年までの月別も、グラフで詳細に掲載されているが、


ここでは、掲載しない。


 なお、世界の国民のセシウム137汚染度のグラフでは、旧ソ連


が最も高く、次にデンマーク、アメリカ、そして日本は、5ケ国中、


最低量であった・・・と。



以上は、安西育郎著【からだのなかの放射能】(合同出版)からの


引用である。


この本は、題名の通り、我々人間の体内にも、元々、自然界の


放射線を出すモノが含まれていること等が、わかりやすく述べられ


ているが、レベルは、少し高いかも知れない。



次回は、旧ソビエト連邦共和国時代に、放射能の除汚染の専門家


であった、アナトリ・ダビドビッチ・ジモン著【放射能汚染と除染の


物理化学】(現代工学社。今は廃刊かも?) から、紹介をする予定。


内容は、日本国内では、まだ公表されていない、骨のガンの1つの


原因物質となるとも言われている、「ストロンチウム90」の日本国内


の1960年代の土壌汚染の数値と、その身近な汚染食品の除染法


などを、近く投稿する予定である。


 今回の福島原子力発電所の爆発事故により、放射性物質は、爆発


当時に吹いていた風により、「の」の字型で、関東圏内にも降り注いだ


後、太平洋を越えて、アメリカ合衆国にまで、流れて行った。


 だが、それはそれとして、この日本国内には、実は1965年が、一番


大部分の日本人の体内に、セシウム137の放射性物質が取り込まれ


ていた量が最大量であったという、知られざる事実がある。


 このブログの筆者=ジドニは、1954年生まれであるから、少なからず、


私自身の体内にもセシウム137やストロンチウム90等が、取り込まれ


ているであろう。


 今回、悲しい原発事故が福島県で起きてしまったが、本当の所は、


今も稼働している原子力発電所の周囲の土壌や海洋の真の計測


状況を公表してもらいたい所だが、それは無理であろう。


ただ、世界の核実験によって降下した、日本国の土壌の汚染数値の


公表を、ここでさせてもらうことで、実は日本国全土のみならず、


特に北半球の多くの国々の土壌や雨・雪が、既に放射能に汚染され


ていることを、知ってもらえたら・・・と思う次第である。そして、輸出・


輸入時の食料品の汚染基準数値も、国によって違うことも事実であ


る。そのように、視野を世界へ広げると、日本国のみならず、世界で


生産された食料品も、純粋な無汚染という食料品は、果たして、どれ


ほど、あるのであろうか ?


 そのように考えてくると、前回紹介をした、富永先生著の本に掲載さ


れてある【放射性物質から身を守る食事法】という内容のことを、コツコ


ツ努力し、継続していくしか、他に方法がないかも知れない。




「いたずらに恐れず、安心して生活するための知恵」 富永國比古医師