ヒトは、色々と忘れる生き物です。だからこそ生きていける、という側面があるわけですけれども。一方で、決して忘れてはいけないことがある、のも、また事実でございまして。
何にしても、まずは、良かったなと。
●Bプレミアライセンス継続
プロバスケットボールBリーグの島田慎二チェアマンは30日、2026年始動の新リーグ「Bプレミア」への参入ライセンスについて、2年目以降が継続審査だった「三遠ネオフェニックス」への継続保有を認めたと発表した。豊橋市が政策方針を変更したことで、認定要件のホームアリーナ開業時期が2年遅れたことを踏まえ、規約の例外措置で3000万円の制裁金を課す。
工事の中断が1年に対して、竣工は2年遅れるという話になった時、三遠のライセンスを心配する声が上がったわけですが・・・
私個人としては、実は、それほど悲観してはいませんでした。
何しろ、原則通り不可とするには、色々仕方のない側面が多過ぎるからです。
まずは、この1年での、建設業界を取り巻く状況の変化があります。
次に、何かあれば“黄金の日々”を再びと手ぐすね引いている「反対派」に餌を与えぬよう、より慎重に工事を進めた方が良いという判断もあったのだろうと思います。
28年秋の開業を目指し、カツカツのスケジュールを組んで、ために「強引」「説明不足」といった印象操作の材料を提供し、多くの市民にとって歓迎されない工事になってしまうのは避けたいところ。
万が一遅延したら、それこそ目も当てられませんし。
そんなわけで、あえて29年秋完工予定としたのは、仕方ないことであるし、賢明な判断だったと、私個人としては思っています。
ライセンスについても、関係各方面の話を聞き、相当程度確証が得られたからこそだろう、と推測していました。
Bリーグでは、B.PREMIERライセンスを交付済みのクラブが新設アリーナの開業を遅らせる場合、合理的な理由が認められれば条件付きでライセンスを維持できると定めている。本件はクラブ起因ではない遅延であり、2029-30シーズン開幕当初からホームアリーナとして使用できる見通しが確認できたため、例外措置の適用により制裁(罰金3000万円)を付して継続が承認された。
島田慎二チェアマンは、建設遅延の背景について「資材高騰や人材不足など外的要因が重なった」と説明し、当初の1年遅延で開業可能と確認できたことを重視したと述べた。「今回の判断は、クラブや自治体、事業者が迅速に再開手続きを進め、合理的な範囲に収まった結果」とも語り、例外適用を「制度上あらかじめ想定された枠組みの運用」と位置づけた。
仮に2028年秋供用開始だったとすると、市長在任中の長坂氏が、新アリーナのこけら落とし、フェニックスの開幕戦で挨拶する可能性もあったわけで。(長坂氏が間違って再選でもしない限り)それがなくなって良かったよ、と思うところもあったりなかったり、です。
●沈黙のナオト
ところで、この件に関して、ホームタウンの市長である長坂氏は、何らかの反応を示したかというと・・・
少なくとも、報道ベースでは何も伝わってきません。
記者が聞いても答えないのか、あるいは、答えたとしても「特にございません」くらいでニュースにならないのか、はたまた、記者の方で忖度して何も聞かないのか。
何しろナオトくん、少しでも自身の判断が影響したことに関しては、ダンマリを通すおつもりのようでありまして。
Q.工事が1年近く中断したことについては?
「特にございません」(豊橋市 長坂尚登市長)
いやいや、「特にございません」じゃないでしょう、と。
実際「特にない」のか、多少なりとも責任を感じてのことか。
もちろん、何か言えば言ったで、批判も受けるでしょう。
しかしながら、それもこれも自業自得、身から出た錆というやつでして。
●ただ、因果は巡る
あくまでも、私個人の見方、でありますが・・・
このような「非常に複雑で稀なケース」(Bリーグ島田チェアマン)を招いたのは、ひとえに長坂ナオトという“特異点”あればこそで。
まず、市長選挙において「新アリーナ計画の中止(契約解除等)」という無理筋・無責任な公約を34項目のひとつとして(新聞購読者以外にとっては)こっそり掲げたこと。
次に、得票率36%(つまり長坂氏以外に投票した人が6割以上いる)にも係わらず、上の公約が支持されたと強弁したこと。
そして、その(勝手な)解釈をたてに、就任直後に議会を軽視して工事中断を指示、以後、関連団体の要望も無視、自身の得票を上回る署名が添えられた請願にもゼロ解答、頑なな態度を取り続けたこと。
そういった長坂氏に端を発する事象あっての、Bリーグへの制裁金3000万円支払いと、今はまだ金額不明ですが「遅延損害金」発生ですからね。
●ブラック or ホワイト
腹立たしいのは、長坂氏が、折りに触れ“そっち”に見せる姿勢と“こっち”に取る態度との、その違いを何とも思っていないように感じられることです。
2025/10/27 23:00(公開)
これまでの休止期間は約11カ月に上る。今後は事業者から遅延損害金の請求を受け、支払額を確定する協議に入る。
長坂市長は27日の定例記者会見で「事業者との協議は今後進める。まだ決まっておらず、スケジュールなど明確には答えられない」とした。工事再開について「事故のないよう安全確保と周辺環境への影響にも配慮したい」と述べた。
「事故のないよう安全確保と周辺環境への影響にも配慮したい」
当たり前のことと言ってしまえばそれまでですが、避けたい話題については、その当たり前のことすら言わないわけで。
ちなみに、2025/10/13 00:00(公開)のニュース。
事業が再始動した豊橋市の「多目的屋内施設(新アリーナ)と豊橋公園東側エリアの整備運営事業」について、公園機能や生態系の維持を訴える市民グループが10日、市役所で長坂尚登市長に要望書を提出した。
新アリーナ関連事業に反対していた近隣住民らのグループ「これからの豊橋公園と新アリーナについて考える会」が訪れた。
要望書によると、整備対象の公園東側エリアでの樹木や生態系の維持を求めている。また、ヒートアイランド現象の緩和や来園者が暑さを避けるための配慮として、区域内での「樹幹被覆率」の維持や独自調査の必要性も訴えている。
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長坂市長は「樹幹被覆率の個別調査は現状では難しいが、丁寧に事業を進めてほしいという意見はもっともだ。国有地を借りての事業で、契約や国とのルールに従って維持管理に努める」などと応じた。
こちらは、2025/10/25 23:00(公開)。
豊橋市の「多目的屋内施設(新アリーナ)と豊橋公園東側エリア整備運営事業」について、公園周辺に住む市民団体が23日、長坂尚登市長に工事関連の情報開示を求める申し入れ書を提出した。工事期間中の安全や住環境への対応のほか、周辺地域の住民向け工事説明会を求めた。長坂市長は取材に対し「周辺地域に限定した説明会は考えていない」とし、広く市民を対象にした開催手法に前向きな姿勢を見せた。
豊橋公園東側エリアの近隣住民らでつくる「新アリーナ事業建設工事の安全対策を求める地元市民有志の会」のメンバー5人がこの日、市役所に長坂市長を訪ねた。申し入れ書は、豊橋球場跡解体前の周辺住民向け説明会の開催▽工期中の安全や環境保全などの情報開示▽有事対応や情報共有を目的に市や事業者、住民代表らの会議体を設置―を求めている。
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市政に関する疑問点や質問は現在、メールボックス「市長への手紙」などでも随時受け付けている。長坂市長は「今後も疑問や不明点に関する問い合わせに随時対応したい」と述べた。
周辺住民に絞った説明会のあり方については「広く市民の関心がある。現状で周辺住民に限定した方法は考えていない」とした。
これらの“前向き”な(へりくだった)姿勢と・・・
こちらのニュースに感じる“後ろ向き”加減との落差は、一体どこから来るのでしょう。
2025/08/26 02:00(公開)。
長坂尚登市長は「既存システムですぐ始められる、ふるさと納税でスピード感を重視した。GCFは開設準備に時間がかかる。現段階で具体的な検討には至ってない」と説明した。
2025/09/30 00:00(公開)。
長坂尚登市長は「個人版は今のところ新たな寄付募集の取り組みは考えていない。企業版は引き続き、市内に縁がある事業所などへのアプローチを図りたい」とした。
●ブラックand ブラック
しかも、GCF(ガバメントクラウドファンディング)自体に消極的なのかと思っていたら、他の施策では、ふつうに実施するって言うんですから。
2025/10/30 00:00(公開)。
豊橋市は、ふるさと納税を活用したガバメントクラウドファンディング(GCF)を2件スタートすると発表した。
これについては、定例記者会見でも胸張ってましたし。
「市からのお知らせ」
◆農業課題を解決し、未来の農をつくる!学生のアイデア実現を応援!ガバメントクラウドファンディングを実施します
◆こどもたちの遊びや学び、体験のさらなる充実を!ガバメントクラウドファンディングを実施します
こうなってくると、もう、「何なの?」と言うしかありません。
ことほど左様に・・・
ダンマリを押し通すことで“ブラックなおと”を忘れさせようとする反面、“ホワイトなおと”アピールは怠らない、ように見える長坂氏。
この先3年、現職市長として露出だけは欠かさないのでしょう。
それはイコール“次”に向けて、の選挙運動ですからね。
●色々、忘れちゃダメ
残念なことに・・・
3年後には、多くの人が、任期1年目の長坂氏がもたらした市政の混乱と混沌とを忘れてしまうかもしれません。
長坂氏本人が、それを狙っているのは明白です。
氏が再選を目指して立候補するとして、その時、対立候補が直接彼を批判するのは、好ましいことではありません。
ならば、より多くの人が「忘れてないよ」と言える状態を保持していくことが肝要でしょう。
新アリーナの工事が再開されたこと、三遠ネオフェニックスのプレミアライセンスも認められたこと、それら自体は喜ばしいことです。
ただし、長坂氏は、この件に関して、何の貢献もしていません。
というか、そもそも工事中止、ライセンス剥奪の危機に陥れたのは、他ならぬ長坂氏です。
そのことを皆さん、心に深く深く刻んでおきましょう。
四六時中、長坂市の行状を観察するのは不健康極まりないことですが、こうやって、たまに備忘録を付けておくに越したことはないなと、そんな意味を込めた記事でした。








