【「新アリーナを争点に」は、皆にとってそうと言い切れず、「アリーナ反対を掲げて」にしても、長坂氏がそれを最優先で特筆大書していたということない。「先の市長選挙の結果」として「計画中止が支持された」は、ひとつの解釈に過ぎません】
新聞・テレビが伝える「先の市長選挙」は、地元豊橋における実体(少なくとも私自身の実感)とは別のもの。
マスメディアが伝えない、豊橋、新アリーナについて、改めて「おさらい」しておきます。
選挙後、長坂氏とその支持者、およびマスメディアが喧伝し続けたのが「建設の賛否を争点に、新アリーナ計画の中止(契約解除等)を掲げて当選した」という、分かりやすい「物語」。
けれども、「新アリーナを争点に」も「アリーナ反対を掲げて」も、実態としてともに疑問を挟む余地、大いにアリだと、この【おさらい/先の市長選挙】で書いてきました。
前提が「物語」でしかないのだから、そこから導き出された「市民は、新アリーナ建設中止を支持した」も、「物語の続き」でしかありません。そういう解釈も無くはない、程度のものだと言って良いでしょう。
ここで、改めて選挙結果を確認しておきます。
●得票率36%、“漁夫の利”当選
得票率36%であろうが、保守分裂・三つ巴ゆえの“漁夫の利”当選であろうが、得票数1位なのですから、市長となること自体は何の問題もありません。
それこそ「選挙とはそういうもの」ですし。
しかしながら、
たまたま一番になったことを以て「新アリーナ計画中止が支持された」は明らかに言い過ぎです。
選挙当時、新アリーナをメインイシューだと考えていた人ばかりではないし、長坂氏が新アリーナ反対をファーストイシューとしていたという認識の人ばかりでもないのですから。
それでも、あくまでも新アリーナが争点であり、有権者は、新アリーナの賛否で投票したのだ、と言い張る人もいて、それはそれで構わないのだけれども。
だとすれば、新アリーナ計画継続・推進の浅井さんと近藤さんとで長坂氏よりも得票数が多いではないか、ならば市民は、むしろ新アリーナ建設を支持したという解釈になるのではないか、という指摘があるのは、理の当然で。
いずれにせよ、市長になったからと言って、長坂氏以外に投票した63%の人々の意思を無視して良いはずありません。
その意思とは、例えば市内だけでも5万9千弱の署名を添えた請願であり、複数のスポーツ関連団体が提出した要望であり、それぞれに支持者がいる市議会多数派議員諸氏の意見であるわけで。
選挙後に示されたそれらの事象からしても、「計画中止が支持された」は、控えめに言って「そうとは限らないひとつの解釈」でしょう。
豊橋市政が混乱・停滞に沈んだ要因の大部分は、長坂氏が、その解釈以外一切認めず、独断専行してきたことにあります。
最後に、選挙時、長坂陣営にあって彼を支援していた人でさえ、アリーナを前面に押し立てていたわけではない、と付け加えておきます。
「楽しい子ども時代を過ごせるまち」が最重要の訴えです。それに「自ら自分たちのことを決める」まちへ向け、対話重視の政治が目標です。