【アリーナ事業賛否はファーストイシューではなかったし、メインイシューでもなかった】
新聞・テレビが伝える「先の市長選挙」は、地元豊橋における実体(少なくとも私自身の実感)とは別のもの。
マスメディアが伝えない(私が思うところの)、豊橋、新アリーナについて、改めて「おさらい」しておきます。
2024年11月の豊橋市長選挙、世の中的には「アリーナ事業の賛否が争点だった」ということになっています。
が、それは、その方が「分かりやすい」し「都合が良い」という思惑ありき。その「設定」からして、既に「物語」が始まっているわけでして。
では「真実」は那辺にあったのか。
以下「分かりにくい」現実の一端を。
●選挙における「争点」とは?
まずは、中日新聞による出口調査を見ておきましょう。
争点の一つとなった市の多目的屋内施設(新アリーナ)計画については、賛成31・5%に対し反対が35・1%とわずかに上回り、「どちらでもない」が33・4%を占めた。
ここで重要なのは「賛成」「反対」にそれほど差があるわけではない、ということよりも、「どちらでもない」人が3割以上いる、ということです。
わからない」のか「どっちでもいい」なのかは不明ですが、「アリーナ事業に対する賛否が争点だった」とするには、「どちらでもない」が、ちと多過ぎやしませんか。
賛成する人の5割強が浅井さん、3割強が近藤さん、1割が長坂さんに票を投じた一方、反対する人の6割が長坂さん、2割が近藤さん、1割が浅井さんを選んだ。
しかも、アリーナに賛成していても長坂氏(中止派)に投票した人はいるし、反対していても近藤さん浅井さん(推進派)に投票した人がいるのです。
つまり、少なくとも、そういう有権者にとっては、アリーナ事業賛否はファーストイシューではなかったし、メインイシューでもなかったと言って良いのではないでしょうか。
●マスとパーソナル
そもそも、(愛知県の辺境でしかない?)豊橋での出来事を全国紙で扱うわけはなく、東京キー局が取り上げるはずもありません。
新聞では、地元紙である東愛知新聞と東日新聞は別として、中日新聞東三河版、たまに県内版。テレビでは名古屋ローカル局が気まぐれに報道する、というのがせいぜいです。
だからこそ、投開票後、アリーナ反対(計画中止)派である長坂氏の当選が決まってから、俄に増えたマスメディア情報(主にネット経由ですが)において、「アリーナ事業への賛否を争点に」というマクラが付いてまわったことに違和感を抱くのです。
マスメディアが言う(ソコへ持っていきたい)争点と、有権者個々人にとっての(最優先とする)争点とは、往々にして違うものなのだなあ。
と、しみじみ感じた次第です。